ユルゲン・クロップ監督は4月15日、今季でボルシア・ドルトムントを去ると明らかにした。だが、彼は次の日から早くもドルトムントに戻りたいと思ったようだ。ドイツ『Sky』のインタビューで、「この難しい瞬間に私を慰める唯一のことは、いつかここに戻ってくることができるという考えだけだ」と述べている。

トーマス・トゥヘル新監督は安心して構わない。少なくとも来季のドルトムントの指揮官は彼だ。だが、ドルトムントとクロップ監督が離れている期間は、少なくとも一時的なもののようである。さまざまな要因がそれを示しているのだ。

クロップ監督はすでに、自宅を売りに出していないことを明かしている。おそらく、賃貸にも出されないだろう。近く、再び住むつもりという証だ。また、ミヒャエル・ツォルクSDも、クロップ監督について次のように話している。

「彼が戻ってくる可能性があるのは当然だ。彼は優秀で若い。ドルトムント復帰の前提条件はすべてそろっている。おそらく別のクラブで経験を積んでからだ。いろいろな冒険をしてからになるかもしれない。だが、戻ってくることができるのは確かだ」

クロップ監督は2010-11シーズン、平均年齢24.27歳という歴代2位の若さのチームでブンデスリーガを制覇した。そして翌年も連覇を果たすと、2013年にはチャンピオンズリーグでファイナリストとなっている。これ以上のおとぎ話はないだろう。

ブンデスリーガの歴史で、古巣に復帰した指揮官の例はほかにもある。むしろ、たくさんある。

例えばブルーノ・ラッバディア監督だ。2009-10シーズンにハンブルガーSV(HSV)を率いて、シーズン途中に去った同監督だが、クラブ史上初となる降格の危機にあった今季、HSVは再びラッバディア監督にチームを託した。その結果は、2戦2勝と好調だ。2週間前まで29試合16得点で最下位にいたHSVは、この2試合で5得点を挙げ、降格圏を脱している。

ユップ・ハインケス監督の例もある。1987年に初めてバイエルン・ミュンヘンを率い、1989年と1990年にタイトルを獲得した同監督は、1991年に解任された。だが、2009年に復任(ユルゲン・クリンスマン監督の失敗で橋渡し役を務めた)、そして2011年にも再びバイエルンに戻り、3冠を達成して2013年にクラブを去っている。

クロップ監督は今季が終わればドルトムントを去る。だが、彼は戻ってくるはずだ。サポーターは、彼だけが話せるおとぎ話を聞く準備をしているだろう。