「若い人たちが問題を考えるきっかけになればいい」と説明する「アウェア」の山口のり子代表。(撮影:東雲吾衣)

写真拡大

恋人同士間での身体的・肉体的・性的な暴力「デートDV(ドメスティックバイオレンス)」について、その防止策や解決策を知ってもらおうと制作された教材ビデオの試写会が14日、東京都渋谷区の東京ウィメンズプラザで開かれた。

 ビデオを制作したのはDVの加害者更正プログラムなどを行う市民団体「アウェア」(山口のり子代表)。「アウェア」がデートDVに対する取り組みを始めたのは、プログラムの中で「若いころ、恋人に暴力を振るっていた」という加害者からの告白が多く上がったことがきっかけだ。山口さんは「若いときにデートDVの問題に気づけば、家庭内で妻や子どもに暴力を振るうDVを防げるかも知れない。若い人たちが問題を考えるきっかけになればいい」と教材ビデオについて説明している。

 ビデオには高校生と大学生のカップルが登場し、それぞれのケースを見ていくことで、「デートDVとはなにか」「どのようにして起こるのか」などを学べる構成になっている。例えば、男性が女性の携帯電話のメールを勝手に見る、アドレスを消す、自分の思い通りにならなければ暴力を振るうという問題については、「相手を尊重する関係が大事」「“男らしさ”や“女らしさ”といった思い込みに縛られない」と解決の糸口を示している。

 上映後、参加者たちからは「夫婦間の間だけかと思っていたDVが恋人間にもあることを初めて知った」「暴力を振るいたくなっても、相手への思いやりが大事だということがわかった」などの感想が寄せられた。

 ビデオ・DVDは上映時間30分で、2万6500円(税込み・送料別)。10月4日には一般向けの試写会も開かれる。問い合わせは「アウェア」(電話・03-3292-5508)まで。【了】

■関連リンク
アウェア