15日、帝国ホテルで共同研究の成果を発表した(左から)鳥取大学の伊藤壽啓教授、大槻公一特任教授と三洋電機の安田昌司ヒューマンエコロジー研究所長(撮影:吉川忠行)

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三洋電機<6764>は15日、同社の電解水技術「除菌エレメント」「除菌電解ミスト」が、鳥インフルエンザウイルスを抑制する効果があることを、鳥取大学(能勢隆之学長)農学部との共同研究で確認したと発表した。

 「除菌エレメント」は、電解水を滴下したフィルターに空気を通過させる大空間を高速除菌するシステムで、「除菌電解ミスト」は、電解水を超音波振動子を用いて拡散効果の高い微粒子にして、空気中に放出するシステム。すでに三洋の空気清浄機などに使われているこれら2つの要素技術の、鳥インフルエンザウイルスへの効果を測定した結果、同ウイルスが99%以上減少することが分かった。

 実験段階の結果であり、個別の商品がさまざまな使用条件でどの程度の効果を発揮するかは明らかになっていないが、三洋と鳥取大学は「安全性や環境にも配慮が可能な中で、鳥インフルエンザウイルスの抑制に、実用的に応用展開できる」としている。

 同日東京都千代田区の帝国ホテルで開いた記者会見で、三洋研究開発本部ヒューマンエコロジー研究所の安田昌司所長は「水道水というどこでも手に入るものを、効果的に使うことができる。ウイルスは消毒薬でも減少するが、消毒薬を大量に使用すると人体に影響する可能性がある」と話した。【了】

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