13日、新体制発足から3週間ぶりの記者会見で、報道陣の質問に答えるライブドアの平松社長(撮影:吉川忠行)

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「本日は急な会見でありまして、会見場が非常に狭いため、各社1名でお願いしております。ご迷惑かけたことをお詫び申し上げます」─。証券取引法違反の罪で東京地検特捜部から起訴されたライブドアの緊急記者会見は13日午後6時過ぎ、駆けつけた報道関係者が混乱する中、予定の10分遅れでIR担当者の釈明から始まった。同社の平松庚三社長は、就任から3週間ぶりに記者会見し、現状について語った。

 平松社長は、冒頭、立ったままで起訴を受けたことを報告。「このような事態を厳粛に受け止め、事実関係の解明と内部管理体制の一層の充実・強化を図り、再発防止に全力で取り組む」と用意した声明文を読み上げ、頭を下げた。今の心境を問われると、捜査への協力と再発防止の取り組みを強調し、言葉を選ぶように「頭の中で錯綜(さくそう)している」と語った。

 報道陣からの質問は、社内調査の進捗(しんちょく)状況や相次ぐグループ企業の離脱表明などに集中。各関連会社との資本提携の見直しについては「今、結論が出ているわけではない」と返答するにとどめ、新たな疑惑については「捜査に全面的に協力する」「調べようとはしているが、資料が限られている」と同席した清水幸裕上級副社長とともに従来と同じ説明を繰り返した。

 また、平松社長は、一執行役から新社長に抜てきされて、問題の把握に費やした3週間を振り返り、「正直に言うとわれわれ自身も、毎日の報道で新しい事態の展開を知る状況」と語った。「すべての事業でルールを守っていこうとする意識が、社員の中で芽生えてきた」と社内の変化も強調した。

 記者会見は約30分で終了。やや顔を紅潮させて会場入りした平松社長は、感度が思わしくないマイクにあわてる場面もあった。会見を欠席した熊谷史人代表取締役の所在について返答に窮すると「全面協力しているというのは『現時点で』ということ。今、この時間に熊谷は捜査に協力をしている。霞ヶ関で」と、事情聴取中である実情をもらした。同社の報道対応について、報道陣から「積極的な情報開示体制とは言えない」、「改善を望む」などと注文が相次ぐと、平松社長は「申し訳ない」と陳謝した。【了】

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