海外市場で活躍する日本企業のブランド価値を評価したところ、1位トヨタ、2位ホンダ、3位キヤノン、4位ソニー、5位日産、6位パナソニック、7位ユニクロ、8位ニンテンドー(任天堂)、9位レクサス、10位東芝――。こんな調査結果を、世界最大のブランドコンサルティング会社「インターブランド」の日本法人が、このほど発表した。

前年(2014年)と顔ぶれは大きく変わらないが、ユニクロが初めて国際ブランドと認識され、いきなり7位にランクイン。自動車、電機の国内トップメーカーが上位を占める中、トヨタは調査開始以来7年連続で首位をキープした。

スバルは「ブランド価値」の上昇率でトップ

このベスト10を含む「日本のグローバル・ブランドTOP30」(2015年)には、スバル(富士重工業、13位)、スズキ(14位)、マツダ(17位)と、自動車メーカーがランクイン。とりわけスバル(前年16位)はインターブランドが独自に換算した「ブランド価値」の評価金額が前年比72%増と上昇率でトップになり、マツダ(前年21位)も同56%増でこれに続くなど、自動車メーカーの好調が目立った。

インターブランドはスバル、マツダについて「グローバルに広がる事業のあらゆる活動をブランド中心に変革しているところが共通しており、海外の顧客からも特別なブランドとして支持され始めている」と評価している。乗用車メーカーでは三菱自動車、ダイハツ工業はトップ30に今年も入らなかった。

電機メーカーでは、エプソンが26位と初めてランクイン。エプソンは「新興国を中心にユーザーのニーズを的確にとらえ、適応性の高さを示した」という。一方、ニンテンドーは前年の6位から8位、ニコンは10位から16位に下げた。この2社は「ユーザーのニーズが劇的に変化する環境にあるブランドで、大幅に価値を減じる結果となった」という。

ユニクロは「世界市場でブランド力の向上が期待される」

今回、トップ30に初めてランクされたのは、ユニクロエプソンとヤクルト(27位)、ヤマハ(29位)の計4社。ヤマハはオートバイメーカーのヤマハ発動機と楽器メーカーのヤマハのブランド価値を合算して算出した。

この中でユニクロとヤクルトは、これまで国内ブランドとして扱われてきたが、今回から国際ブランドに「昇格」。両社は「独自のビジネスモデルが海外でも通用することを証明し、アジアを中心になくてはならないブランドへ成長しつつある」という。とりわけ初登場でトップ10入りしたユニクロは「欧米での成功が加速することで、世界市場でブランド力の向上が期待される」という。

ブランド価値を金額に換算して毎年ランク付け

インターブランド社は1974年にロンドンで発足し、ニューヨークに次いで日本には1983年に進出。現在は世界27カ国で、企業のブランド価値を評価しており、国際標準化機構(ISO)か「ブランドの金銭的価値測定の世界標準」として認定(ISO10668)を受けているという。

日本法人のインターブランドジャパンは2009年から毎年、海外の売上高比率が30%以上の日本企業を対象に、(1)財務力(現在と将来の収益予想)(2)ブランドが購買意思決定に与える影響力(3)ブランドによる将来収益の確かさ――を基準に、その企業や商品が「将来どれくらい収益を上げると予想されるか」を独自に評価。ブランド価値を金額に換算して毎年ランク付けしている。