本命はホワイトソックスのホセ・アブレイユ

 右肘靭帯損傷で現在復帰に向けてリハビリを進めているヤンキース田中将大投手が1か月半以上の離脱にも関わらず、ア・リーグ新人王レースで生き残っていると地元メディアから評価されている。

 ESPNがMLBの賞レース特集を行い、7月8日のインディアンス戦後に右肘に痛みを訴えて以来、メジャーのマウンドに上がっていない田中が、ア・リーグ新人王部門で2位にノミネートされている。1位はホワイトソックスのホセ・アブレイユ一塁手。今季116試合出場で打率3割8厘、33本塁打、94打点と活躍するキューバ出身の大砲が現時点では本命視されている。打点部門ではア・リーグ1位、ホームランは2位、打率は7位と衝撃的な数字を残している。

 寸評では「そこまで迷う余地はないかもしれない。このバトルは田中が負傷離脱以前から、すでに毎試合出場する野手であるアブレイユ有利に傾いている。ヤンキースは(プレーオフ争い)レースから滑り落ちれば、今季、田中にピッチングをさせないだろう」と評している。

 田中は今季18試合に先発。負傷が発覚する前の4試合で1勝3敗と調子を崩したが、通算12勝4敗。135奪三振で防御率は2・51。勝利数は13位タイ。規定投球回数に達していないものの、防御率は5位相当。奪三振は16位だ。

マー君の逆転受賞の条件は?

 10試合近く離脱しているにも関わらず、前半戦のみで積み上げたこの数字は立派としかいいようがない。前半戦の時点では田中は数々の地元識者からア・リーグの新人王とサイ・ヤング賞の有力候補に推されていた。

 前半戦のヤンキースの先発ローテーションを支えたエース田中が、圧倒的な本命アブレイユを逆転する可能性はないのだろうか。

 記事では「タナカが復活し、6〜7試合で先発し、好投し、ヤンキースのワイルドカードでのプレーオフ進出に貢献するのなら、興味深いことになる」と指摘している。

 右肘靭帯の部分断裂から順調なリハビリを続けている田中が9月中旬に復帰し、離脱前の活躍を見せられるのか。アブレイユのホワイトソックスは今季59勝72敗でプレーオフ進出が絶望的となっている一方で、田中がその右腕で名門を2年ぶりのプレーオフ進出に貢献できるとするならば、大きなアピールになるという。

 3位にはレイズのケビン・キーマイヤー外野手が「スピードスター、守備力の高さで嬉しい驚き」と評価されて、ノミネートされている。