サムスン傘下の大手電機メーカー、サムスンSDIは10日、フォードモーターと軽量かつ高効率のバッテリー開発に向けて共同で研究を行うと発表した。(イメージ写真提供:123RF)

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 サムスン傘下の大手電機メーカー、サムスンSDIは10日、フォードモーターと軽量かつ高効率のバッテリー開発に向けて共同で研究を行うと発表した。中国メディアの羊城晩報は11日、パナソニックも「サムスン同様に電気自動車向けバッテリーを重要な事業と位置づけている」とし、日韓の「巨頭」が将来性のある“新型バッテリー市場”でぶつかることになると論じた。

 記事は、サムスンSDIはこれまで携帯電池やノートパソコンのバッテリーを製造していたことを紹介したうえで、「近年は自動車向けバッテリーにおける協業を強化している」と伝えた。さらに、中国サムスンに対する取材を行った結果として、サムスンが「中国に新設する電気自動車向けバッテリーの製造工場は2014年下半期に建設を着工する予定」と回答したことを紹介した。

 続けて、サムスンがBMWやクライスラーなどにリチウムイオン電池を提供していることを紹介、サムスンのバッテリー事業における戦略は「新しい応用領域において主導的地位を確立することで次世代電池の標準化を行い、将来の市場で優位に立つ」というものだと論じた。

 また、サムスンがバッテリー事業を積極的に開拓する理由について、「サムスンは電子機器市場における変化の激しさを知っているから」、「危機意識を持って未来のための準備を進めているから」と紹介。競争が激化するスマートフォン市場において、サムスンの営業利益の伸びにも陰りが見え始めているとし、サムスンにとっては新事業の開拓が重要なのだと論じた。

 続けて、パナソニックについても自動車や航空などの事業を積極的に開拓しているとし、「そのなかでも特に誇るべき事業こそ新型バッテリー事業だ」と紹介。さらに業界関係者の見方として、最終製品のメーカーが“垂直的多角化”によって製造の川上に進出していることこそ電子機器業界におけるひとつの流れであると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)