世界で初めて撮影に成功した深海のダイオウカ/(c)NHK/NEP/DISCOVERY CHANNEL

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国立科学博物館では特別展「深海 —挑戦の歩みと驚異の生きものたち—」を開催中。世界で初めて深海での撮影に成功し、ことし1月にNHKスペシャルで放送されて話題となった巨大なダイオウイカや深海に生きるさまざまな生物の生態を映像、標本などで体験できる企画展となっている。

【写真を見る】国立科学博物館が所蔵するダイオウイカの標本。触手まで含めると全長約5m

今回の展示で注目すべきはダイオウイカの映像と標本。ダイオウイカは、古来より船を沈めると恐れられてきた全長18mにもなるといわれる世界最大のイカ。だが、その深海で生きる姿が確認されたことはなかった。「深海シアター」では横幅5mを超えるスクリーンでダイオウイカをはじめとした深海生物の生態を記録した迫力ある映像を上映。潜水艇に乗って深海に潜航するような感覚が味わえる貴重な機会となっている。さらに、同館が所蔵する全長約5mになるダイオウイカの標本も展示、実際のその姿も見ることができる。

またダイオウイカ以外にも深海でいきる珍しい生物の標本、写真も展示、その生態を紹介している。深さ1万m、陸上の1000倍の水圧でいきるカイコウオオソコエビ、クジラの死骸にだけすみつくゴカイ類のホネクイハナムシなど不思議な生物が約380点の標本とともに紹介される。

さらに実物大の有人潜水調査船「しんかい6500」の模型も展示。深さ6500mまで潜ることができる同船は、世界中の海で海底の地形や地質、深海生物などを調査し、潜航回数は2012年で1300回に達した。これだけの深さに潜れることのできる潜水船は世界で2隻しかないという。他には深海生物の調査を専門にする探査機「ピカソ」の実物、深さ7000mまで潜れる無人探査機「かいこう」、海中の経路を自力で走る探査機「ゆめいるか」などの模型も展示している。

なおNHK総合ではNHKスペシャルとして「シリーズ 深海の巨大生物」を7月27(土)・28(日)に連夜放送。第1回ではダイオウイカの生態の分析、第2回では相模湾にすむ深海ザメの世界に迫る。今展示会とともに視聴すればより深く“深海”の世界を体験できるはずだ。【東京ウォーカー】