燃費水増し問題に対する現代・起亜の謝罪広告

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現代自動車と傘下の起亜自動車が、米国で販売していた車種の燃費を誇大表示していたことが分かった。現代自はすぐさま補償を行うと発表。事態収拾に向け動き始めた。しかし、この対応に、韓国国民は「逆差別(米国ばかりを優遇している)」と批判しており、同社への不満は韓国内でも膨らんでいる。

今回、問題となっているのは現代と起亜が販売した計13の車種。現代自は4日、ワシントンポストとニューヨークタイムズに謝罪広告を掲載し、「2010年から2012年までに販売された約90万台の車両の燃費が誇大表記されていた。このことについて、心からお詫び申し上げる」と謝罪した。

現代自は今後、米環境保護局(EPA)の燃費変更方針に従い、対象となる90万台の顧客に、年間平均88ドル(約7060円)、約8000万ドル(約64億円)を補償する方針という。

■韓国でも広がる不信感「国内ではもっとやってる」

しかし、今回の事態について、韓国内では「やっぱり」といった反応が出ている。なぜなら、今年初め、韓国でも同様のことが起きているからだ。韓国メディア「ソウル新聞」によると、韓国政府が今年初めに燃費測定システムを複合燃費基準に変えたところ、多くの車が表示していた燃費より20〜30%少ないことが判明した。現代車に乗る韓国人の男性は、「正式燃費は13.6キロだったが、実際には10キロ程度だった」と自身が乗る車も燃費の表示が実際とは異なったと話し、「数年間国民が受けた損害を誰も責任を取らない」と政府とメーカーの対応を非難した。

韓国のインターネット上にも、現代車に不信感を募らせるコメントが集まっている。「表示ミスとは…燃費だけかな…馬力もウソだってみんなうわさしているけど?」「厳しい米国で判明したんなら、韓国国内ではもっとやってるだろうね」「ミスとか言ってるの?」「初めから公表されている燃費を信じてなんていない」「故意だと思う。だから現代・起亜は嫌いだ」「国内でも補償するのが普通じゃないの?」

今回、米国で判明した燃費水増し問題を受けて、韓国の自動車愛好家が集まるインターネットコミュニティーでは、「韓国でも政府とメーカーを相手に訴訟を起こそう」との意見が出始めているという。特に、韓国の自動車メーカーは、これまで同車種にも関わらず、米国の顧客には韓国より2倍も長い補償期間を付けるなどしてきた。韓国国内の顧客は、以前から抱いてきたこのような米国への特別待遇に対する不満も、今回の燃費水増し問題で一気に吹き出しているようだ。

どうやら米国だけでなく自国内でも信頼回復に取り組む必要がありそうだ。

参照:ソウル新聞
参照:ヘラルド経済

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