クライマックスシリーズの限界か(第703回)

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10月18日クライマックスシリーズファイナルステージ 第2戦。札幌ドームは2万3610人、東京ドームも3万9135人。両球場でのクライマックスシリーズ最少観客数を2夜連続更新である。同シリーズがスタートした2007年。北海道日本ハムファイターズ、読売ジャイアンツはともにリーグ優勝した。第2ステージでは、札幌ドームが千葉ロッテマリーンズ相手に5試合オール4万2222人、東京ドームでもジャイアンツが中日ドラゴンズにスイープを許したが、3試合オール4万4000人以上とファンが詰めかけた。あれから5年、クライマックスシリーズに進出するチームがほぼ決まっている日本のプロ野球。5年前はウイークデーなど関係なく超満員だっただけに、同シリーズがスタートした時のような新鮮味がなくなってきたと言うべきではないか。

テレビ視聴率が低迷した上に、スタジアムに足を運ぶファンが減少するようではプロ野球にとって死活問題だ。同シリーズが始まってこの方、優勝チームの本拠地で続けてやると言うことは、景気の悪くなってきた現在では地元ファンにとっても観戦日を限定せざるを得ないのは自明の理である。第4戦、第5戦を土、日に合わせることに加え、次週の日本シリーズ日程も考えてのウイークデースタートが裏目となっている。

クライマックスシリーズを廃止して、昔のようなペナントレース優勝=日本シリーズ出場という時代には戻れない。それなら、クライマックスシリーズに関して知恵を出し合って、ファンが見たくなるような日程、システムにするべきである。特にリーグ優勝チーム丸儲けのシステムを廃止して日本シリーズ同様に日本野球機構管理にしたい。そうなれば、臨機応変に両リーグの意見を汲みながらのバランスの取れた日程と、放映権問題がクリアになるはずだ。1勝のアドバンテージがあるのだから、日程を優勝チームから見て本拠4試合、敵地2試合はどうだろう。移動の費用など観客動員が増えれば十分ペイできる。また下位チーム主催試合を後ろに持ってくることで、ファーストステージで勝ってからでも、前売りの日数に余裕ができる。

最後に私が考えているプロ野球の10月日程の私案を再び書かせてもらうと、
[1]10月第2月曜日の体育の日でレギュラーシーズン全日程終了。
[2] CSのファーストステージ(最大3試合)はその週の金曜日スタート。
[3] CSのファイナルステージ(最大6試合)は次の週の金曜日から、優勝チーム本拠4連戦(4試合目は当日移動ができるように5時開始)、移動日無しで敵地2連戦。これなら中止がなければ水曜日に終わり、中2日で日本シリーズに突入できる。

日本野球機構には多くの問題が山積している。クライマックスシリーズもその一つである。今年の観客動員減少について関係者は討議するべきである。

写真は2万3610人と空席が目立った札幌ドーム。