U-23日本代表がロンドン五輪出場を決めた。最終戦となったバーレーン戦は、前半もたついたものの、ゴールを奪ってからは相手も半ばあきらめたようだった。冷静に見ると、かなり実力差があった。予選では一時黄信号が灯るなど思わぬ苦戦を強いられたが、改めて振り返ると「グループ分けに恵まれた」と言われていたとおりのグループだったように思えるね。

さて、これで晴れて本大会に頭を悩ますことができるようになったわけだが、日本サッカーの最大の問題は、「反省をしない」ことにある。惨敗に終わったアテネ五輪、北京五輪の反省と検証は、きちんとなされただろうか。

予選だけ散々盛り上がっておいて、本大会での成績は重要視しない、誰も責任を取らない、というのがこれまでの例だ。「五輪は出ることに意義がある」とはいわゆる日本のアマチュアリズムだけど、五輪サッカーに関してはまさにそれを地で行っているね。

こうした悪癖は、日本サッカーのトップの体質によるところが大きい。強化よりも興行ありき。予選を突破すれば、本大会まで注目される。本大会でどうなろうと、興行的には特に問題ではない、ということなんじゃないかな。「強化」という目的が見失われているから、現U-23代表が強いチームとテストマッチを行うこともなかった。五輪予選が始まる前、選手のサバイバルが見どころの一つと言ったけど、強いチームと戦っていないがゆえに、このチームの上限値、どれだけの力があって、どこが足りないのか、というのが非常に見えづらいね。ロンドンでぶっつけ本番な気分だよ。

予選を突破したからOKじゃない。五輪に出たからといって万々歳じゃない。ロンドンで何ができるか、何をしたいか。明確な意識を持って、残り数ヶ月、強化に本腰を入れてほしいね。