日野晃博が語るガンダム最新作『AGE』の方向性は「子供にも理解できるガンダム」
10月9日、ガンダム最新作『機動戦士ガンダムAGE』のテレビ放送が始まった。『レイトン教授』シリーズなどを手がけるゲームメーカー「レベルファイブ」の日野晃博氏がストーリー/シリーズ構成を担当し、新たな「ガンダム」を打ち出している。
子供向けアニメとして刷新されたキャラクターやロボットのデザイン、これまでのシリーズと異なる世界で展開されるストーリーなど、その変わり様に旧来のファンは賛否両論。だが、日野氏は自身のツイッターで「批判している人も、とにかく話が大きく動く3話まで見てほしい。それでも批判するのであれば受け入れる」と発言。見た目の先入観にとらわれず、今後の展開を見守るように呼びかけた。
そもそも日野氏がガンダムを作ることになったのは、バンダイナムコゲームス副社長の鵜之澤伸氏から「一緒に100万本売れるガンダムゲームを作らない?」と誘われたことがきっかけだったという。
「ただ、既存のガンダム作品のゲーム化では今までのカラーを払拭できないので、本気で100万本目指すなら、まったく新しいガンダムを、テレビアニメの企画段階から参加させてほしいとお願いしました。そうしたらサンライズ(ガンダムのアニメ制作会社)のプロデューサーさんを紹介してもらえて」(日野氏)
幼い頃からガンダム好きだった日野氏。その情熱が伝わったからこそ、サンライズは自社の看板とも言えるガンダムをアニメには門外漢である日野氏に託した。だが、理由はそれだけではないと言う。
「一番大きかったのは、新しいガンダムを作る上で目指すべき方向性の考え方がサンライズさんと合致していたってことだと思います。それは、子供にもちゃんと理解できるガンダムを作るということです。だからといって『なんだ、子供向けかよ』とは思わないでくださいね(笑)。ストーリーは従来のガンダム同様、非常にシリアスな内容になっていますから。僕が特に好きだったのはファーストガンダムの流れをくんだ“宇宙世紀モノ”ですからね」(日野氏)
子供向けとされていたアニメというジャンルを、戦争や人種といったハードなテーマ性により、大人の鑑賞にも耐えられるものに引き上げたガンダム。日野氏とサンライズは、ガンダムを再び子供に向けて発信し直すために、『AGE』を作ったのだという。
はたして、その試みはファンにどう受け止められるのか。日野氏が「この作品がまぎれもないガンダムであることを実感できる」と言う「3話」に期待だ。
(取材/昌谷大介)
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