竹内結子、映画『はやぶさ/HAYABUSA』に出演 (撮影:野原 誠治)
 絶対絶命のピンチを何度も乗り越え、奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」。その7年もの間、プロジェクトを支え続けたスタッフのドラマを映画した『はやぶさ/HAYABUSA』が10月1日から公開され、現在、絶賛上映中である。本作の中で、竹内結子は、水沢恵という宇宙開発研究所(現・JAXA 宇宙航空研究開発機構)で働く新人スタッフの役を演じた。物語は、彼女の目線で語られ進行していくのだが、竹内自身は、この映画の撮影で、どんなものを見てきたのだろうか。

――今回の作品は、宇宙開発に関するドキュメンタリーですが、宇宙は好きですか?

竹内結子(以下、竹内):とても疎いです(笑)。オリオン座くらいしか分からないかもしれない。

マネージャー:南十字星わからなかったよね?「南十字星が見えるよ」と言って、みんなで一斉に見上げたんですよ。パッと見上げた瞬間に…

竹内:「どれ?」って(笑)。宇宙のことをあまり知らなかったのに、よく、この作品に出演できたなと思います(笑)

――「宇宙の知識に疎い」ということは、この映画で役を演じるために、かなり勉強されたのではないでしょうか?

竹内:そうですね。お話をいただいてから、いろいろな資料や書籍の類い、ドキュメンタリー映像を取り寄せて調べました。川口教授の講演があることをサイトで見つけて申し込んで見に行ったりもしました。

※川口淳一郎教授:宇宙科学研究所宇宙航行システム研究系教授。「はやぶさ」ではプロジェクトマネージャーを務めている。本作では佐野史郎が、川渕幸一という役名で演じている。

――講演まで見に行くなんて、熱心に勉強されたのですね。

竹内:講演は、楽しかったですね。「そういうことがあったんですね」という驚きがあって、知れば知る程、はまっていきました。

――でも、最初は、「はやぶさ」の何がすごいのかも分からなかったのですよね?

竹内:申し訳ないんですけど、正直分からなかったですね。「何をしたの?」というところからが始まりで。でも、最初に観たドキュメンタリーで、なぜか涙が止まらなくなり、どうしてか、「はやぶさ」を擬人化する感情が芽生えていくんですよね。それがどの段階からなのかが、未だにはっきりせず…。川口先生の講演を聴きに行った時も、はやぶさというものを育て上げたことについて「僕たちの期待に応えてくれる大変良い子でした」と話されていて、本当に愛情を持って、彼は送り出されたんだな、というのをすごく感じて、大変興味深いものでしたね。