2011女子ワールドカップ・なでしこJAPAN総括:「なでしこ優勝に思うこと」
感動した!ありがとう!それだけです!
世界を制し、世界一の勇気を日本に与えてくれたなでしこJAPAN。倍増した優勝ボーナスに加え、サッカーLOVEのスポンサー・キリン様から追加のボーナス100万円もいただけるとかで、赤貧も少しは解消されそうな雰囲気。世界一になったときくらい、たくさんのお祝い、たくさんのボーナス、たくさんのチヤホヤに囲まれたいもの。できるだけ長くバブルがつづくように祈らずにはいられません。
しかし、テレビの前でゴロゴロしながらなでしこJAPANの活躍に感動していた僕は、直後に強烈な水差され感を味わっていました。ブログ更新などしようとネットサーフィンをしていると、そこは必ずしも「感動をありがとう」「勇気をもらいました」一色ではなく、むしろそうした姿勢に疑問を呈する、強烈な意見であふれていたのです。
曰く「日本が優勝したんじゃない、あのチームが優勝したんだ。たまたま同じ国籍というだけで、お前は何の関係もない」
曰く「テレビの前で感動しているヤツはバカ。お前は見てただけで、何もしていない。自分自身の行動や体験で感動しろ」
曰く「お前らがしているのは感動のただ乗り。彼女たちが無償で自分たちの人生を削り、感動の準備=練習・競技活動をしているときは何もしていない。対価を払わずに、感動だけを競技者から搾取しているのだ」
何やら素直に感動することにバツの悪さを覚えるような厳しい指摘の数々。僕はガックリと落ち込み、改めてテレビの前でゴロゴロしながら勝手に感動していた自分、その後昼寝してお菓子食ってダラダラしていた自分の情けなさを痛感したのです。何の努力もせず、彼女らの努力に協力もせず、同じ日本人というだけで我が物顔で喜んでいた自分を…。
しかし、僕はこうも思うのです。心から感動し涙した自分に嘘はなく、それは決して揺るがないと。
青い空や緑の高原や透きとる海を見てキレイだと思い、感動することに理屈などありません。確かに僕は南米の大瀑布や極北の氷原を見たことはない。しかし、それが日本の山河に感動することを咎めるものではないはずです。「近いから、たまたま見た。そして感動した」という偶然は、ごくごく当たり前のことでしょう。
他人の活動で感動していることも、何恥じることがありましょう。誰もが思い通りにはならない現実と戦いながら、ほんの一時スポーツという夢に酔い、そこで見た奇跡に勇気をもらうのです。凛と咲く撫子の花は、人間がいかに情けないかを痛感させるために咲いたのではない。人間には咲かせられない花であるからこそ、憧れもするし、愛でもするのです。
確かに「タダ」で見ていることは申し訳なく思います。あんないいものが、「タダ」ですからね。しかしまぁ、回収はこれから。これまでは「結果は出ないけど頑張ってる子」でしたが、これからは「世界一のチーム」なのです。女子サッカーというマイナー競技において、まず結果を出さねば回収が始まらないことは、誰よりも彼女たちが知っています。だからこそ「結果がすべて」と言い切ったのです。
すべてのマイナーな文化を支えることを、社会の仕組みにするのは難しいもの。マイナーである中には、人気がない、価値が認められていないという側面もあるからです。ただ、なでしこはマイナーの殻を打ち破り、メジャーになった。日本を熱狂させた。「世界一」という最高の結果を出した。その金看板を手に、これから彼女たちの営業活動が始まるのです。
彼女たちはタダ見の客を責めたりしません。リーグ戦すらタダで見せているくらいです。感動は売り物ではないし、商売にするものではない。「感動したなら金をくれ」なんて言うはずないのです。しかし、今回タダで感動した人が、その感動をきっかけに彼女たちへの「愛情」を持つかもしれない。
愛情はお金に変換できます。ただ揺り動かされたのではなく、自分が何かをしたい、というわき上がる気持ちだからです。感動から愛情へのコンバージョン率を上げるには、「世界一」はきっと役に立つ。そして今現在、彼女たちが赤貧に喘いでいるという現実も、それを後押しするでしょう。
だから、今回「タダで感動した人」「初めて見て感動した人」「タダで感動した自分をバツ悪く思っている人」がいるなら、まずは水差されることなどなく、その感動に身を委ねて欲しい。そして、自分の中に芽生える愛を感じたなら、それを確かめるためにスタジアムへ足を運んでほしい。記念のTシャツを買い求めてほしい。日々の自分の人生の中で、それ以外に何か愛情を形にする道はないか考えてほしい。
この感動を忘れずに、次回も期待してあげることもそのひとつ。これから、いいときも悪いときもあるでしょう。結果が出ない時期もあるでしょう。そんなときも、2011年の感動を忘れずにいること。「世界一」のチームへの敬意と信頼を持ちつづけること。この偉業は一過性のものではなく、永遠に日本スポーツ史に残る歴史です。その意識を持てば、必然彼女たちの扱いも変わっていくはずです。「昼間バイト、夜練習」から「昼間練習、夜バイト」に入れ替わるくらいには…。
ということで、今回素晴らしい結果を出したなでしこについて、結果以外に何を残したかについてチェックしていきましょう。
◆2011女子ワールドカップお笑い部門MVPは、笑いの天才・宮間あやさんです!
GK海堀 6.0
ハイボールの処理が強いという触れ込みだったが、実際に目立ったのはローボールの処理。バックパスはもちろん、たまたま転がってきたボールでさえ、一回足で受ける。相手が「無駄だよな」と思いつつプレッシャーをかけにくると、じわーっと手でボールを拾うという、イラッな動き。試合中に何度も何度もコレを繰り返し、時間を使うさまには、僕の家からもブーイングが飛び出した。実写ドラマ化する際の、僕の中でのキャスティングは北海道日本ハムの中田翔。
GK山郷・福元 5.0
大会中は姿を見せなかったが、帰国時の成田空港ではワールドカップを運ぶ荷物持ちとして大活躍。集まった多くのファンから「えーっと…」「うーん…あのー…」「なでしこありがとうー!」という、チーム全体への温かい声援を引き出した。
DF岩清水 5.5
決勝戦で退場覚悟のファウルを犯し、ピッチを去った姿には冷静な判断力があふれていた。「さすがベテラン」「経験豊富」「渋いプロフェッショナルファウル!」という世間からの賞賛と、やがてくる「まだ24歳なの!?」という驚きのギャップには、ひと笑いの予感がある。
DF熊谷 5.5
初戦で頭をグルグル巻きにして出てきたときは、「何だコレwww」「スタッフ下手糞すぎだろwww」「包帯巻き直せwww」とお茶の間もドッとわいた。試合中にも、全然届かない距離で一応ダイビングヘッドだけ試みるなど、シュールな笑いを演出。「突っ込まれ待ち」のキャラを確立した。
DF近賀 4.5
右サイドバックとして豊富な運動量でチームに貢献。守備力の高さと、ここ一番のシュートの下手糞さで、いい意味でも悪い意味でも右サイドを激しく上下。大会中に明かされた「父の日に何もあげられなくてゴメン。メダルをプレゼントするからね」という手紙の存在は、「何かあげればええやん…」「ドイツのソーセージとか…」「お金ないんかな…」と、なでしこ赤貧物語をジワッと後押しした。
DF鮫島 6.0
ドリブルをするときのピンと伸びた背筋。美人と形容することが許されるルックス。そんな大和撫子風な外見とは裏腹に、名前は鮫島で、ツイッターアカウントは@sharkayaで、サインにはサメのイラストを入れるシャークっぷり。世界一の歓喜の輪の中で、澤穂希さんに食らわしたシャークパンチは、彼女の闇を示すようだった。実写ドラマ化する際の、僕の中でのキャスティングはマナー講師・平林都さん。
DF上尾野辺・FW高瀬 4.5
準決勝スウェーデン戦で交代出場。残り5分を切ってからのたてつづけの投入には、スウェーデン側にも「思い出作りまでされた」という絶望を押しつけた。ただ、残念なことに視聴者の思い出には、あんまりしっかりとは残っていない。
DF田中 4.0
「さーて、私は何戦に出たでしょう?」
DF矢野 6.5
「GKをのぞいて、今大会1試合も出場していない名誉ある選手は、一体誰でしょーうか?」
MF阪口 5.0
試合中は長短織り交ぜたパスと、目を見張る展開力で貢献。彼女のビルドアップで攻撃が始まり、彼女のボソッというしょぼいミドルシュートで攻撃が終わったときなどは、まさに「なでしこの自作自演レジスタ」という風格だった。日本ベストボヘミアン賞などがあれば、superfly越智志帆さんとダブルで受賞させてあげたい。
MF澤 6.5
まさにレジェンドという大活躍にもかかわらず、韓流スター・ジャニーズ・人気俳優などからラブコールが飛び出さないというストイックさは、「笑える」「でも笑っちゃいけないよね」「いやでも笑わざるをえない」という一周回った複雑な笑いを生み出した。「優勝したらリップにチュー」と言っていたラモスまでもが、結局澤前逃亡する段に至っては、今後の「ムシコナーズ」などからのCM出演オファーの予感も漂う。
実写ドラマ化する際の僕の中でのキャスティングは、ポニーテールを頼りに加藤ローサさんを選出。BSの中継などでたびたび出ていた、なでしこJAPANのイメージキャラ・楓ちゃんは澤さんをモデルにしたものであるわけで、実写化する際もどう変換しようが文句は言わせない。
MF大野 5.0
慣れないポジションでもあり、プレー面ではよかったり悪かったりの大会。しかし、「アレ?前からこうだっけ」と若干の疑問を抱かせるレベルでの全体的な膨らみぶりは、帰国時のスーツ着用などで加速。アヤしい企業の部長のような丸っこさを醸し出した。娘を励まそうと大野母が送った「今日はきっと勝てるよ。私がパチンコで勝ったから」というメールには、「根拠ねぇwww」という小笑いが起きた。
MF宮間 7.0
左右両足に加え、顔面も使いこなす笑いの天才。点を決めたあとのインパクトフェイス、常にニヤニヤしている怪しさ、表彰式で披露した変な踊りなど、お笑い面では他の追随を許さなかった。メダル授与後に、福元・近賀・大野らを巻き込んだ妙な動作は、事前の打ち合わせのようすを含め、一見の価値がある。
また、スーツ着用時には、ニヤニヤしたちゃらい態度と、ちんまりした風貌により、「昭和の町工場の社長」感を演出。宮間社長・大野部長コンビでペーソスある笑いを喚起した。勝利の美酒はシャンパンではなく、カップ酒がよく似合う。ちなみに、実写ドラマ化する際の僕の中でのキャスティングは、断固として堀北真希。
MF岩渕 4.0
試合中は期待ほどの活躍はナシ。しかし、その美貌と女子大生という甘美な響きには代えがたい価値がある。2012年のロンドン五輪、次回のワールドカップでは、世間も納得する「なでしこJAPAN」の顔役となってもらいたい。
MF宇津木 4.0
「さーて、私は何戦と何戦に出たでしょう?」
FW川澄 6.0
シンデレラガールとして準決勝で一躍世間の注目を集めた。相手を選ばずネイルアートを施す姿勢には、「キレイでしょ!」「見て見て!」「コレすると点が取れるの!」とはしゃぐ他選手と相まって、「笑いの罠師」という二つ名を送りたい。人気沸騰でサーバがダウンしつづけているブログでは、大注目のピンクのヘアゴムについて「いろんな色があります!」「サッカーショップで普通に売ってるヤツ!」「ポルトガル語がたくさん書いてあります!」とヒントだけ掲示。増産体制で待つメーカー関係者を、引き続きヤキモキさせている。
FW安藤 4.5
ドイツで活躍していることもあり、大会期間中にはシャルケ内田篤人との親交も明かされた。内田の口から「食事とか誘っていただければいつでも行くんですけど、こずこず(安藤)は冷たいんですよ」というコメントを引き出した貢献は大きい。「こずこず だけに 来ず来ず」などと、ニヤニヤする悪魔の笑顔が思い浮かぶ。
FW永里 5.5
憮然としたオッサン顔でインタビューに登場するなど、キレ芸の名手として存在感を示した。そんな彼女が自爆的にやらかした、表彰式中の「私結婚するんだ」という告白。その爆弾発言により、歓喜の絶頂にいた仲間を「えぇっ…そうなんだ…」「私は…サッカーが恋人だから…」「何やってるんだろう私…」と、一気に現実に叩き落した点はお見事。
FW丸山 5.0
準決勝ドイツ戦で勝利をつかむゴールをあげた。それ自体は別に面白くも何ともないが、そこから一気に思い出される数々の偉業はナイス。ブログを軸にした、炎上発言、水着自慢、温泉乳首写真などが改めて発掘されるなど、現代ネット社会の恐ろしさを身を持って証明した。今後もそのままの姿勢で人生を謳歌してほしい。
監督佐々木則夫 6.0
なでしこを笑いで包み込み、明るく楽しいチームを編成した手腕はお見事。テレビ出演時に泥酔する奔放さも、明るさゆえと思えばカワイイもの。「妻を愛さずになでしこは愛せない」という哲学は、解釈によって何倍も面白くなる余地あり。
↓宮間一味がいろいろ悪さをする表彰式動画
お疲れさまでした、なでしこJAPAN!勇気と感動と笑顔をありがとう!
世界を制し、世界一の勇気を日本に与えてくれたなでしこJAPAN。倍増した優勝ボーナスに加え、サッカーLOVEのスポンサー・キリン様から追加のボーナス100万円もいただけるとかで、赤貧も少しは解消されそうな雰囲気。世界一になったときくらい、たくさんのお祝い、たくさんのボーナス、たくさんのチヤホヤに囲まれたいもの。できるだけ長くバブルがつづくように祈らずにはいられません。
曰く「日本が優勝したんじゃない、あのチームが優勝したんだ。たまたま同じ国籍というだけで、お前は何の関係もない」
曰く「テレビの前で感動しているヤツはバカ。お前は見てただけで、何もしていない。自分自身の行動や体験で感動しろ」
曰く「お前らがしているのは感動のただ乗り。彼女たちが無償で自分たちの人生を削り、感動の準備=練習・競技活動をしているときは何もしていない。対価を払わずに、感動だけを競技者から搾取しているのだ」
何やら素直に感動することにバツの悪さを覚えるような厳しい指摘の数々。僕はガックリと落ち込み、改めてテレビの前でゴロゴロしながら勝手に感動していた自分、その後昼寝してお菓子食ってダラダラしていた自分の情けなさを痛感したのです。何の努力もせず、彼女らの努力に協力もせず、同じ日本人というだけで我が物顔で喜んでいた自分を…。
しかし、僕はこうも思うのです。心から感動し涙した自分に嘘はなく、それは決して揺るがないと。
青い空や緑の高原や透きとる海を見てキレイだと思い、感動することに理屈などありません。確かに僕は南米の大瀑布や極北の氷原を見たことはない。しかし、それが日本の山河に感動することを咎めるものではないはずです。「近いから、たまたま見た。そして感動した」という偶然は、ごくごく当たり前のことでしょう。
他人の活動で感動していることも、何恥じることがありましょう。誰もが思い通りにはならない現実と戦いながら、ほんの一時スポーツという夢に酔い、そこで見た奇跡に勇気をもらうのです。凛と咲く撫子の花は、人間がいかに情けないかを痛感させるために咲いたのではない。人間には咲かせられない花であるからこそ、憧れもするし、愛でもするのです。
確かに「タダ」で見ていることは申し訳なく思います。あんないいものが、「タダ」ですからね。しかしまぁ、回収はこれから。これまでは「結果は出ないけど頑張ってる子」でしたが、これからは「世界一のチーム」なのです。女子サッカーというマイナー競技において、まず結果を出さねば回収が始まらないことは、誰よりも彼女たちが知っています。だからこそ「結果がすべて」と言い切ったのです。
すべてのマイナーな文化を支えることを、社会の仕組みにするのは難しいもの。マイナーである中には、人気がない、価値が認められていないという側面もあるからです。ただ、なでしこはマイナーの殻を打ち破り、メジャーになった。日本を熱狂させた。「世界一」という最高の結果を出した。その金看板を手に、これから彼女たちの営業活動が始まるのです。
彼女たちはタダ見の客を責めたりしません。リーグ戦すらタダで見せているくらいです。感動は売り物ではないし、商売にするものではない。「感動したなら金をくれ」なんて言うはずないのです。しかし、今回タダで感動した人が、その感動をきっかけに彼女たちへの「愛情」を持つかもしれない。
愛情はお金に変換できます。ただ揺り動かされたのではなく、自分が何かをしたい、というわき上がる気持ちだからです。感動から愛情へのコンバージョン率を上げるには、「世界一」はきっと役に立つ。そして今現在、彼女たちが赤貧に喘いでいるという現実も、それを後押しするでしょう。
だから、今回「タダで感動した人」「初めて見て感動した人」「タダで感動した自分をバツ悪く思っている人」がいるなら、まずは水差されることなどなく、その感動に身を委ねて欲しい。そして、自分の中に芽生える愛を感じたなら、それを確かめるためにスタジアムへ足を運んでほしい。記念のTシャツを買い求めてほしい。日々の自分の人生の中で、それ以外に何か愛情を形にする道はないか考えてほしい。
この感動を忘れずに、次回も期待してあげることもそのひとつ。これから、いいときも悪いときもあるでしょう。結果が出ない時期もあるでしょう。そんなときも、2011年の感動を忘れずにいること。「世界一」のチームへの敬意と信頼を持ちつづけること。この偉業は一過性のものではなく、永遠に日本スポーツ史に残る歴史です。その意識を持てば、必然彼女たちの扱いも変わっていくはずです。「昼間バイト、夜練習」から「昼間練習、夜バイト」に入れ替わるくらいには…。
ということで、今回素晴らしい結果を出したなでしこについて、結果以外に何を残したかについてチェックしていきましょう。
◆2011女子ワールドカップお笑い部門MVPは、笑いの天才・宮間あやさんです!
GK海堀 6.0
ハイボールの処理が強いという触れ込みだったが、実際に目立ったのはローボールの処理。バックパスはもちろん、たまたま転がってきたボールでさえ、一回足で受ける。相手が「無駄だよな」と思いつつプレッシャーをかけにくると、じわーっと手でボールを拾うという、イラッな動き。試合中に何度も何度もコレを繰り返し、時間を使うさまには、僕の家からもブーイングが飛び出した。実写ドラマ化する際の、僕の中でのキャスティングは北海道日本ハムの中田翔。
GK山郷・福元 5.0
大会中は姿を見せなかったが、帰国時の成田空港ではワールドカップを運ぶ荷物持ちとして大活躍。集まった多くのファンから「えーっと…」「うーん…あのー…」「なでしこありがとうー!」という、チーム全体への温かい声援を引き出した。
DF岩清水 5.5
決勝戦で退場覚悟のファウルを犯し、ピッチを去った姿には冷静な判断力があふれていた。「さすがベテラン」「経験豊富」「渋いプロフェッショナルファウル!」という世間からの賞賛と、やがてくる「まだ24歳なの!?」という驚きのギャップには、ひと笑いの予感がある。
DF熊谷 5.5
初戦で頭をグルグル巻きにして出てきたときは、「何だコレwww」「スタッフ下手糞すぎだろwww」「包帯巻き直せwww」とお茶の間もドッとわいた。試合中にも、全然届かない距離で一応ダイビングヘッドだけ試みるなど、シュールな笑いを演出。「突っ込まれ待ち」のキャラを確立した。
DF近賀 4.5
右サイドバックとして豊富な運動量でチームに貢献。守備力の高さと、ここ一番のシュートの下手糞さで、いい意味でも悪い意味でも右サイドを激しく上下。大会中に明かされた「父の日に何もあげられなくてゴメン。メダルをプレゼントするからね」という手紙の存在は、「何かあげればええやん…」「ドイツのソーセージとか…」「お金ないんかな…」と、なでしこ赤貧物語をジワッと後押しした。
DF鮫島 6.0
ドリブルをするときのピンと伸びた背筋。美人と形容することが許されるルックス。そんな大和撫子風な外見とは裏腹に、名前は鮫島で、ツイッターアカウントは@sharkayaで、サインにはサメのイラストを入れるシャークっぷり。世界一の歓喜の輪の中で、澤穂希さんに食らわしたシャークパンチは、彼女の闇を示すようだった。実写ドラマ化する際の、僕の中でのキャスティングはマナー講師・平林都さん。
DF上尾野辺・FW高瀬 4.5
準決勝スウェーデン戦で交代出場。残り5分を切ってからのたてつづけの投入には、スウェーデン側にも「思い出作りまでされた」という絶望を押しつけた。ただ、残念なことに視聴者の思い出には、あんまりしっかりとは残っていない。
DF田中 4.0
「さーて、私は何戦に出たでしょう?」
DF矢野 6.5
「GKをのぞいて、今大会1試合も出場していない名誉ある選手は、一体誰でしょーうか?」
MF阪口 5.0
試合中は長短織り交ぜたパスと、目を見張る展開力で貢献。彼女のビルドアップで攻撃が始まり、彼女のボソッというしょぼいミドルシュートで攻撃が終わったときなどは、まさに「なでしこの自作自演レジスタ」という風格だった。日本ベストボヘミアン賞などがあれば、superfly越智志帆さんとダブルで受賞させてあげたい。
MF澤 6.5
まさにレジェンドという大活躍にもかかわらず、韓流スター・ジャニーズ・人気俳優などからラブコールが飛び出さないというストイックさは、「笑える」「でも笑っちゃいけないよね」「いやでも笑わざるをえない」という一周回った複雑な笑いを生み出した。「優勝したらリップにチュー」と言っていたラモスまでもが、結局澤前逃亡する段に至っては、今後の「ムシコナーズ」などからのCM出演オファーの予感も漂う。
実写ドラマ化する際の僕の中でのキャスティングは、ポニーテールを頼りに加藤ローサさんを選出。BSの中継などでたびたび出ていた、なでしこJAPANのイメージキャラ・楓ちゃんは澤さんをモデルにしたものであるわけで、実写化する際もどう変換しようが文句は言わせない。
MF大野 5.0
慣れないポジションでもあり、プレー面ではよかったり悪かったりの大会。しかし、「アレ?前からこうだっけ」と若干の疑問を抱かせるレベルでの全体的な膨らみぶりは、帰国時のスーツ着用などで加速。アヤしい企業の部長のような丸っこさを醸し出した。娘を励まそうと大野母が送った「今日はきっと勝てるよ。私がパチンコで勝ったから」というメールには、「根拠ねぇwww」という小笑いが起きた。
MF宮間 7.0
左右両足に加え、顔面も使いこなす笑いの天才。点を決めたあとのインパクトフェイス、常にニヤニヤしている怪しさ、表彰式で披露した変な踊りなど、お笑い面では他の追随を許さなかった。メダル授与後に、福元・近賀・大野らを巻き込んだ妙な動作は、事前の打ち合わせのようすを含め、一見の価値がある。
また、スーツ着用時には、ニヤニヤしたちゃらい態度と、ちんまりした風貌により、「昭和の町工場の社長」感を演出。宮間社長・大野部長コンビでペーソスある笑いを喚起した。勝利の美酒はシャンパンではなく、カップ酒がよく似合う。ちなみに、実写ドラマ化する際の僕の中でのキャスティングは、断固として堀北真希。
MF岩渕 4.0
試合中は期待ほどの活躍はナシ。しかし、その美貌と女子大生という甘美な響きには代えがたい価値がある。2012年のロンドン五輪、次回のワールドカップでは、世間も納得する「なでしこJAPAN」の顔役となってもらいたい。
MF宇津木 4.0
「さーて、私は何戦と何戦に出たでしょう?」
FW川澄 6.0
シンデレラガールとして準決勝で一躍世間の注目を集めた。相手を選ばずネイルアートを施す姿勢には、「キレイでしょ!」「見て見て!」「コレすると点が取れるの!」とはしゃぐ他選手と相まって、「笑いの罠師」という二つ名を送りたい。人気沸騰でサーバがダウンしつづけているブログでは、大注目のピンクのヘアゴムについて「いろんな色があります!」「サッカーショップで普通に売ってるヤツ!」「ポルトガル語がたくさん書いてあります!」とヒントだけ掲示。増産体制で待つメーカー関係者を、引き続きヤキモキさせている。
FW安藤 4.5
ドイツで活躍していることもあり、大会期間中にはシャルケ内田篤人との親交も明かされた。内田の口から「食事とか誘っていただければいつでも行くんですけど、こずこず(安藤)は冷たいんですよ」というコメントを引き出した貢献は大きい。「こずこず だけに 来ず来ず」などと、ニヤニヤする悪魔の笑顔が思い浮かぶ。
FW永里 5.5
憮然としたオッサン顔でインタビューに登場するなど、キレ芸の名手として存在感を示した。そんな彼女が自爆的にやらかした、表彰式中の「私結婚するんだ」という告白。その爆弾発言により、歓喜の絶頂にいた仲間を「えぇっ…そうなんだ…」「私は…サッカーが恋人だから…」「何やってるんだろう私…」と、一気に現実に叩き落した点はお見事。
FW丸山 5.0
準決勝ドイツ戦で勝利をつかむゴールをあげた。それ自体は別に面白くも何ともないが、そこから一気に思い出される数々の偉業はナイス。ブログを軸にした、炎上発言、水着自慢、温泉乳首写真などが改めて発掘されるなど、現代ネット社会の恐ろしさを身を持って証明した。今後もそのままの姿勢で人生を謳歌してほしい。
監督佐々木則夫 6.0
なでしこを笑いで包み込み、明るく楽しいチームを編成した手腕はお見事。テレビ出演時に泥酔する奔放さも、明るさゆえと思えばカワイイもの。「妻を愛さずになでしこは愛せない」という哲学は、解釈によって何倍も面白くなる余地あり。
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