知的障がい者を炭鉱で事故を装って殺害し、家族を装って賠償金を詐取する残虐事件が頻発しており、江西省東郷県の警察は13日までに、殺人容疑などで四川省雷波県出身の犯行グループの8人を送検した。残る1人も逮捕状を得て行方を追っている。14日付大衆網が伝えた

 今年3月11日、江西省東郷県鉛亜鉛鉱業有限公司で鉱山採掘に携わる「吉魯史格」氏が死亡した。3日後、家族2人が、賠償金120万元を同社に請求した。

 東郷県虎〓(土へんに于)郷派出所は、家族が提出した死亡証明書は、死亡場所でなく、死者の原籍地の四川省金陽県公安部門が発行したものだったことを不審に思い、金陽県に赴き調査したところ、吉魯史格氏の身分証が偽造されたもので、死者は別人であることが判明した。その後の調べて、事故を装った四川省雷波県の犯行グループによる殺人である疑いが浮上した。

 調べでは犯行グループは昨年10月、四川省雷波県で知的障害がある住所不定者を5200元で買い、偽造した「吉魯史格」氏名義の身分証を持たせ、今年3月に採掘工として江西東郷の炭鉱に送り込んだ。犯罪グループは機会を伺い「吉魯史格」氏を通風用の穴に突き落とし殺害した。

 犯行グループは数人に分かれ◇働き場所の炭鉱をあっ旋する◇一緒に働いて機会を伺い殺害する◇家族を装い賠償を請求する◇証明書類を偽造する――など作業を分担していた。

 犯行グループの出身地、雷波県公安局によると、同県出身者による同様の「偽装殺人・詐欺事件」は2007年から2009年までに20件が発生。殺害現場となった山東省蓬莱市、招遠市、浙江省江山市、遼寧省撫順市、朝陽市、雲南省耿馬県、湖北省大冶市、四川省甘洛県など9省15県・市の警察の捜査員が雷波県に赴き協力を求めた。

 報道によると、同県では一部の村民が住所不定の知的障がい者を山中の小屋に閉じ込めて「養育」し、労働力が必要な家庭に打っていた。中には障がい者を購入し、各地の炭鉱に送って「偽装殺人・詐欺事件」の対象にしていたという。

 事態を重視した雷波県政府は、2010年に知的障がい者らを「無秩序外来者」などと称して165人を「摘発」した。この中には、未成年者23人、女性28人が含まれていた。(編集担当:松本夏穂)



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