担当M（以下M）：FC東京が降格して、今年も日本代表の選手がJ2でプレーすることになりました。はたして代表選手がJ2でプレーすることは、選手個人や代表チームにとっていいことなのでしょうか。

ラモス（以下R）：特に今野についてですね。僕は高いレベルでプレーしたほうがいいと思います。だけど今野が自分でチームに残ると決めたのだから、そこは尊重してあげないとダメですよ。選手がクラブを愛しているのなら、その気持ちは止められないから。

M：現在の代表選手というだけではなく、代表が狙える選手もJ2でプレーすることになります。

R：そこから這い上がれるかどうかです。厳しい環境の中から這い上がれたら、それはその選手の逞しさをいっそう上げるでしょうね。

M：では選手たちを見守るしかないですね。

R：そうじゃなくて、僕はおかしいと思いますよ。他のクラブがもっと口説いてもいいはずです。確かに今野の気持ちは固いでしょう。でもたとえばどうして浦和がもっと強烈にアプローチしなかったのかと思いますね。細貝がいなくなって、あのポジションをどう埋めるか考えたときに今野が最適ですよ。阿部が移籍した後に苦労したことを考えても、ボランチをどうするかは重要課題だったはずです。それなのに浦和が今野に接触したと言う話を聞かなかった。あとはたとえば名古屋が獲りにいってもよかったんです。チャンピオンチームでプレーしないかって。そこを遠慮しているなんておかしい。プロなんですから。もったいない。

M：つまりJ2で代表選手がプレーするということは、獲得に動かなかった他のクラブの問題もあるということですね。

R：そういうことです。

M：このままFC東京が今季苦労して今野選手により負担がかかることもあり得ます。

R：僕はFC東京が1年でJ1に戻れるとは思います。J2に落ちてチームがバラバラに解体されていたら大変でしたが、選手たちが残りましたからね。ただJ2は独特の世界があります。それには戸惑うでしょうし、苦労もすると思います。とにかく最初の5、6試合がとても大切。そこで躓いたら大変なことになりますよ。

M：ナビスコカップがないから、J2チームはJ1チームに比べて試合数が少ないのですが負けられないというプレッシャーも大きいでしょうね。

R：今野は自分が選んだ道だから、ぜひがんばってほしいと思います。