2008年、当時の福田康夫首相は2020年までに受け入れる留学生数を12万から30万人に増やす計画「グローバル30」を打ち出した。これは世界の学生、特に中国の学生にとって間違いなくいい知らせのはずだった。しかし、政権交代が政策の連続性に大きく影響し、今やグローバル30は暗礁に乗り上げている。中国網日本語版(チャイナネット)が報じた。

 ■「英語での授業」、日本での就職に不利に

 グローバル30のひとつに、日本の大学で英語による授業の割合を増やすというのがある。日本語ができない留学生でも英語で学位を取得できるのが特徴だ。これにより日本の大学の国際化レベルが高まると見る人もいるが、それは間違いだ。留学生が英語を取得できても、日本は非英語国家で、日本語が唯一通用する言語であるため、日本語が使えなければ日本の社会には溶け込めない。

 一部の日本の大学はすでに、学生の日本語能力が不足していると、授業内容が理解できないばかりか、教授との交流も難しく、学業の質が保てないことに気づいている。

 さらに日本語ができなければ、海外留学生が日本で就職するのは難しい。学位を苦労して取得したが、日本語の能力不足が原因で、日本の会社から採用されず、やむなく語学学校に戻って日本語を勉強しなおす留学生もいる。

 就職に関しては、中国を含む留学生は喜び半分、心配半分といったところだろうか。現在の就職状況は非常に厳しく、大学生の就職率は低めが、日本は早くに少子高齢化社会に入り、労働力不足が著しく、国際的な人材が求められている。そのため留学生は卒業後、日本で就職のチャンスが大いにあるといえる。

 また、日本の企業は長年、日本人、外国人を問わず採用者を平等に扱ってきた。最近、日本企業は留学生を好んで採用するというニュースも伝えられている。

 日本では現在、草食男子が流行している。彼らは大学卒業後、ネットショップを開いたり、お菓子作りをしたり自分の好きなように生活したいと考えている。人びとが自分の理想の生活を追求するのは社会の進歩だという人もいるが、若い世代に追い求めるものがないためだという意見もある。いずれにしろ、草食男子は日本社会の脚光を浴びているが、企業側は、こうした草食男子よりも異国の地で苦労を経験した留学生のほうが仕事への闘志があると考えているようだ。(編集担当:米原裕子)



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