■ 予備登録50名

1月にカタールで行われるアジアカップの予備登録メンバー50人が発表された。


? 海外組が11人

 → 今回、海外リーグに所属する選手が11人も選ばれている。所属クラブの意向もあるので、参加できるのか、できないのか、はっきりと分かっていないが、GK川島、DF長友、DF内田、MF長谷部、MF本田圭、FW香川あたりの選出は確実と思われる。一方で、南アフリカ組のFW森本、MF松井、MF阿部、MF矢野が微妙なところ。MF松井やMF矢野は所属クラブで満足に出場機会を得ていないのが気になるところである。

注目はオランダのVVVでプレーするDF吉田で、大怪我を乗り越えてようやく試合に出場できる状態にまで回復した。187?とサイズがあって、ビルドアップの能力もある。DF永田、DF伊野波、DF森重らと枠を争う形になるが、是非とも試してみてほしい選手である。


? FC東京から6人

 → クラブ別でみるとJ2に降格したばかりのFC東京から最多の6名が選ばれている。DF今野、GK権田は先日の代表戦でも呼ばれているので不思議はないが、MF梶山の登録メンバー入りは驚きだった。今シーズンは怪我もあって本調子とは程遠い出来で、冴えないプレーを続けていた。意外な選出であった。

この中で最終メンバー入りを期待したいのはMF米本。守備力だけを考えると、すでに日本でもトップクラスのボランチであり、MF細貝がパラグアイ戦やグアテマラ戦で起用されていたが、能力的には全くひけを取らない。国際舞台でどれだけ出来るか、見てみたいところである。

長身のフォワードが少ない中、FW平山にもメンバー入りのチャンスはある。FW前田は当確と思われるので、残った枠をFW森本、FW李忠成、MF矢野あたりと争うことになる。シーズン途中でスタメン落ちを経験し、チームはJ2に降格したが、シーズン終盤は大事なところで点を取っており、計7ゴールを挙げている。高さはどうしても必要であるので、メンバー入りを期待したい。


? 3シャドー+丸橋がメンバー入り

 → 3位と躍進したC大阪からは、MF家長、MF乾、MF清武の3シャドーと左サイドバックのDF丸橋がメンバー入りを果たした。4人ともに、最終メンバー入り出来るかどうかは微妙なところであるが、旬な若手選手を抜擢しようとするザッケローニ監督の考えは伝わってくる。

同じポジションの3人なので互いに枠を争うライバルとなるが、3シャドーの中で、一番、メンバー入りの可能性が高いのはMF家長か。キープ力は並外れたものがあって、1対1の守備も強い。もし、メンバー入りすれば久々にMF本田圭との競演となるが、果たしてどうなるだろうか?MF清武も可能性はゼロではない。MF松井、MF宇佐美、MF柏木、MF関口、MF原口らとの争いになるが、彼らはボールを持ったときに真価を発揮するタイプであり、MF清武のようなタイプは見当たらない。長丁場の戦いであり、MF清武のようなタイプがベンチに控えていると、重宝する可能性はある。逆に、MF乾は厳しいような気はする。

C大阪の4人の中で注目したいのはDF丸橋。C大阪でレギュラーを獲得してからまだ半年しか経っていないが、一気にフル代表候補まで駆け上がった。左サイドバックの候補としては、DF長友、DF小宮山、DF酒井が入っているが、レフティーはDF丸橋のみ。DF長友を右サイドで起用する可能性があるので、DF丸橋の最終メンバー入りも十分に考えられる。


? 新潟から4人

 → やや意外だったのは新潟から4人が選ばれていることである。FC東京の6人、広島の5人に次いで3番目に多い数字である。面白いのは、守備陣が揃って選ばれていることであり、GK東口、DF西、DF永田、DF酒井がメンバー入り。後ろの5人のうち、選ばれていないのはDF千葉だけである。明らかに、ザッケローニ監督がビルドアップ能力をGKやDFに求めていることが伺える。

4人ともに、最終メンバーに入ってくる可能性は高いとは言えないが、一番、可能性がありそうなのはDF西。右サイドバックはDF内田とDF森脇くらいであり、DF長友が右サイドに回ってくることも考えられるが、DF駒野の回復が間に合わず、手薄なポジションだけにチャンスはありそうだ。

GK東口については、他の4人がすでに招集経験があるので、生き残りは厳しい印象であるが、5人の中に入ってきたというのが大きな前進であり、フィード力が評価されたのは明らかである。


? 名古屋からは1人

 → 一方で優勝した名古屋からはMF金崎のみ。MF金崎も怪我で戦列を離れており、最終メンバーに残るかどうかは微妙であり、アジアカップに名古屋の選手はゼロという可能性は十分に考えられる。GK楢崎、DF闘莉王がいればまず間違いなく選ばれただろうが、GK楢崎はすでに代表を引退しており、DF闘莉王は怪我のため治療優先でブラジルに帰国する予定になっている。

名古屋は、FWケネディ、MFマギヌンという外国人がいて、FW金崎、GK楢崎、DF闘莉王を除くと、経験のある中堅以上の選手がほとんどで、若手と呼べる年齢の選手は少ない。南アフリカ大会のメンバーのFW玉田はJリーグでは好調なので、呼ばれてもおかしくはないが、ブラジルW杯の時点で34歳になるので、現実的ではない。となると、他に考えられる選手は、左サイドバックのDF阿部くらいとなる。

リーグ優勝を果たしたチームから、代表選手がたくさん選ばれるのは自然な形ではあるが、今回の名古屋に限っていうと、あまり当てはまらず、ゼロあるいは1人の選出に終わっても、妥当というしかない。優勝した名古屋のメンバーが少ないということに対してどういう反応を示すかは、Jリーグについての知識がそれなりにあるのか、全くないのかを判断する「リトマス紙」といえる。



? 広島からは5人

 → FC東京の6人に次いで多かったのが広島で5人が選出されている。GK西川、DF槙野は、順当に最終メンバー入りを果たしそうであるが、そのほかに、代表入りが噂されていたFW李忠成がメンバーに入ってきた。今シーズンの途中までは広島でも燻っていたが、FW佐藤寿の怪我でスタメンを勝ち取ると大ブレークし、最後の12試合で11ゴールと荒稼ぎしている。もっとも勢いのあるストライカーなので、23人の枠に入ってきても不思議はない。

逆に意外だったのは、MF青山とDF森脇の選出。MF青山は今シーズンはスタメンを外れることもあって、スタメンで出ても、試合途中で交代するケースが多かった。不満足なシーズンであったので、このタイミングでの選出というのは驚きだった。MF梶山にも当てはまるが、この年代でパスを回すことの出来るボランチが不足していることの表れと思われる。

一方、DF森脇は広島では右ストッパーや右ウイングバックでプレーしている。普通に考えると、サイドバックの候補と思われるが、右だけでなく、左もこなす柔軟性が評価されたのあろうか。大きな大会なので、ムードメーカー役も必要であり、「23人のチーム」と考えると、最終メンバーに滑り込んで来るかもしれない。



? 宇佐美が初選出

 → 若手ではG大阪のMF宇佐美が初めて代表に選ばれている。中学時代から名を馳せた選手であるが、まだ高校3年生。最終メンバーに選ばれると、DF市川大祐以来の高校生A代表プレーヤーとなる。

ライバルはMF松井、MF家長、MF乾、MF清武、MF柏木、MF原口、MF藤本あたりになるが、得点を奪うことに関しては、この中では?1といっても過言ではなく、ザッケローニ監督がMF宇佐美をどのように評価しているのかは分からないが、何かをやってくれそうな雰囲気を持っているので、メンバー入りを期待したい選手である。

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