「僕らとは違う世代の少し前の先輩達は、とっても“いかつい”ので、“いかつい”人には負けないぞと」。そう語るのは、大記録を達成したばかりのシアトルマリナーズのイチローだった。

プロ18年目で野球解説者・張本勲氏が持つ日本最多安打記録=3085本を更新。18日(日本時間)現在では、既に3087本安打を記録しており、今シーズンは前人未到の9年連続200安打に加え、大リーグ通算2000安打の記録達成を目指す。

だが、イチローが語った“いかつい人には負けたくない”という思い――。これは、一体どういう意味だったのだろうか?

TBS系列「情報7daysニュースキャスター」では、スポーツジャーナリストの二宮清純氏が独自の見解を述べた。「イチローが言った“いかつい”という意味をあえて翻訳すれば、(プロ野球界の)旧体制ということになるんじゃないですかね」と説明した二宮氏は、「常にイチローはチャレンジャーで新興勢力であって、ベンチャーであって、マイノリティ。それが結果を残すことで、一つ一つの“いかつい”壁を超えていった」と語った。

また、その一つとして、二宮氏は内野安打を量産することで新しい野球のスタイルを作り上げたイチローについて、「塁間は27.43メートルある。これは“神の距離”と呼ばれているのですが、神の距離を破った。まさにイチローは神様の領域にまで入った」とまで言い切ると、さらには「リードオフマンとは主役ではなかった。しかし、リードオフマンでも3番、4番を超える。そのくらいチームにとっては必要な役割だというのを、イチローは反骨精神として持っていたと思いますね」と力説した。