復帰を目前に控えたインテルの元ポルトガル代表MFルイス・フィーゴが、現在の心境を述べている。

−絶好のタイミングでの復帰となるが?
「1年の間に2度の骨折は運命としか言いようがない。復帰までの道のりは厳しかった。なかなか痛みが引かず、イメージ通りの練習が行えない日々が続いたよ」

−36歳という年齢になるが、引退のことは頭をよぎったか?
「仮に引退という言葉が頭をよぎったとしても、すぐに打ち消したはずだ。まだインテルに貢献できると信じてやってきた」

−土曜に控えるユベントスとのイタリア・ダービーから試合復帰か?
「チームに合流してまだ間もない。それが何を意味するかは分かるだろう?いまはリズムを取り戻すことに専念している。あとはモウリーニョが決めることだ。負傷離脱する前は、自分に信頼を置いてくれていた(4試合で3先発)」

−約20年ぶりに再会したモウリーニョの印象は?
「時間は人を成熟させる。(スポルティング・リスボン)当時のモウリーニョは一スタッフだったが、今は監督としてチームを指揮している。以前より選手との関係を重視しているが、本来の性格は全く変わっていない」

−イタリアで彼が誤解されやすい理由は?
「物事を冷静に分析し、本音で語るからだよ。彼の『イタリア・カルチョが海外で魅力的かは疑問だ』との発言が良い例だ。イタリア・カルチョに足を踏み込んで間もない彼からの警鐘であり、あのコメントは非難ではない」

−カルチョ界が保守的でモウリーニョが革新的ということか?
「カルチョの世界では、本心を明かさずにオブラートで包むことが常識となっていた。お決まりの質問に当たり障りのない返答が繰り返されてきた」

−最大のライバルはユベントスか、それともACミランか?
「インテルのライバルはインテル自身だ」

−それこそまさに当たり障りのない答えでは?
「分かったよ(笑)。昨シーズン王者のインテルは、ホームでの試合は全て勝たなければならない。土曜のユーベ戦も例外ではない。容易ではないが、相手が連勝中である方が我々はやりやすい。こんなコメントでいいかい?」

−ではもっと突っ込んだ話を。モッジ(ユベントス元GMでカルチョ・スキャンダルの中心人物)に6年の求刑が出たが?
「短いと思う。しかし、裁判所が決定することであり、自分には決定権はない。彼は長年カルチョ界をコントロールしてきた…。それが6年という短い期間ではない、ということだけははっきりと言える。しかし、もうモッジ問題には興味はない。過去の出来事は本にでも記せばいい」

−後継者との呼び声高いクアレスマがまだ本来の実力を発揮していないが?
「誰でもすぐに新しい環境に馴染むことができるわけではない。少なくとも練習中の彼は、あなた方が見ている彼とは全く違う。そして、イタリア・カルチョはポルトガル、スペインとは違う。攻撃的選手にとってはスペースが少なく、よりハードだ。彼が実力を発揮するためには、もう少し時間が必要だ」

−ACミランがベッカムを獲得したが、補強かそれとも単なる宣伝か?
「それはガリアーニ(ACミラン副会長)に聞いてくれよ。デビットは親友であり、彼がミラン移籍を喜んでいるのであれば、自分も嬉しい」

−同僚のイブラヒモビッチがバロンドールに輝いたら?また、モウリーニョの賞賛はバロンドール獲得の後押しとなるか?
「自分は誰からの後押しもなくバロンドールを獲得したつもりだ。ポルトガル人ということもあり、受賞は非常に難しかった。しかしながら、周囲のバックアップが選考に影響を与えるのは事実だろう。ズラタンのサポートは、喜んでしたい」