ルーニーとロナウドのコンビは健在<br>【photo by B.O.S.】

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 プレミアシップ王者、マンチェスター・ユナイテッド(以下ユナイテッド)が新シーズンのスタートを切った。さいたまシティカップは17日、さいたまスタジアム2002で行われた。ユナイテッドは前半25分、内館に得点を許し先制されるも、後半2分、7分にフレッチャー、ロナウドが続けざまに得点を奪い逆転に成功。しかし終了間際、小野信二に同点弾を決められ、引き分けに終わった。

 序盤から"世界の赤い悪魔"が浦和ゴールを襲う。ロナウド、ルーニーを起点に素早いボール回しで世界のスーパースター達との対戦に浮き足立った浦和を翻弄。ボール支配率は70%を上回るほど、圧倒していた。ただボールはつながるも決定機は作れず、逆に浦和のほうがユナイテッドの攻撃に慣れていった。すると25分、一瞬の隙をついて浦和がゴールを陥れる。内館がスルスルっとドリブルで駆け上がりシュート。予期していなかったGKファン・デル・サールは逆をつかれあっさりゴールを許してしまった。これで目が覚めたユナイテッド。徐々に選手の顔つきが変わり球際に対して激しくなっていった。

 後半に入りユナイテッドはDF3人を入れ替え、若手を投入した。そして、後半2分ようやく同点ゴールが生まれる。ペナルティエリア内で細かいパスをつなぎ、キャリックが角度のない位置からシュート。こぼれ球をルーニーが拾い、キャリックにつないで折り返したところをフレッチャーが決めた。

 5分後には、この日もトリッキーな動きで観客を沸かし続けたロナウドが逆転ゴールを奪う。左サイドでドリブルを開始すると山田を振りきり中央へ。そのまま右足を振りぬきシュートを放つと、ディフェンダーに当たり角度が変わってゴールマウスに吸い込まれた。昨季も多く見られたパターンであり、一つの武器となっている。

 両チームともに足が止まり徐々に試合は間延びしていく。ユナイテッドも守備が干満になりマークがずれる場面が多くなっていった。また最終ラインのエバンス、シンプソンは若さが目立ち、ミスを繰り返した。そして迎えた後半33分、マークについていたエバンスが小野に翻弄され、シュートコースを空けてしまい同点ゴール。結局、勝ち越しならず終了のホイッスルが吹かれ、2−2の引き分けに終わった。なお新戦力のハーグリーブズ、ナニは登録外で出場せず、デビュー戦はお預けに。

 ユナイテッドの課題を上げるならやはり"高さ"。サイドから上げられる良質なクロスはことごとく跳ね返され、怖さに欠けた。テベス獲得が噂されるものの、彼は純粋なセンターフォワードではない。果たしてこのポジションで補強は施されるのか。

 一方で新戦力が優勝チームの中でどのように起用されるのか。引き続き行われるアジア遠征でファーガソン監督の采配に注目が集まる。ユナイテッドは今後、韓国のFCソウル(20日)、中国の深セン(23日)と対戦する。

<マンチェスター・ユナイテッド>
GK ファン・デル・サール
DF エヴラ(→46分エバンス)、ファーディナンド(→46分シンプソン)、ヴィディッチ(46分シルベストル)、ブラウン
MF キャリック(→69分オシェイ)、フレッチャー、スコールズ、C・ロナウド
FW ギグス(→69分スミス)、ルーニー