プロギアやエリプレがついに自宅で!! 英国カプコンがアーケード仕様一体型ゲーム機発表
英国カプコンが、ジョイスティック一体型のクラシックゲーム機『CAPCOM HOME ARCADE』を発表しました。これはいわゆる「プラグ&プレイ」機のように、本体に内蔵されたゲームタイトルのみを遊べるタイプのモデル。本機ではカプコンのアーケード版ゲーム、16タイトルを内蔵します。

問題はそのラインアップ。これまで家庭用ゲーム機に移植されてこなかった『エイリアン vs. プレデター』や『プロギアの嵐』、『アルティミットエコロジー』(海外版のためECO Fighter)に、移植例の少ない『パワード ギア』(Armored Warriors)など、定型句ではないレベルでの「マニア垂涎のタイトル多数」を含みます。

タイトルに合わせて本体も破格で、アーケードサイズ(幅74cm×奥行き22cm)のレバーとボタン(三和電子製)を搭載し、デザインは有無を言わせぬCAPCOMロゴ形状(そう、上写真が本体です)。

価格も229.99ユーロ(日本円にして約2万9000円)と、こちらも破格。発売は10月25日予定で、EU圏での予約は即日開始です。

収録タイトルは以下の通り。上画面ではEU圏タイトルのため、日本版は一部タイトルの表記が異なります(ストIIダッシュターボなどが目立つところです)。
1944 ザ・ループマスターエイリアン vs. プレデターパワード ギアカプコンスポーツクラブキャプテンコマンドーサイバーボッツヴァンパイア(初代)アルティミットエコロジーファイナルファイト大魔界村ギガウィングロックマン・ザ・パワーバトルプロギアの嵐ストリートファイターIIダッシュターボストライダー飛竜スーパーパズルファイターIIX

タイトルの選定条件としては「マザーボードとして初代CPシステムとCPシステムII(通称CPS、およびCPS2)を採用した世代で、横向き画面」という点が優先されているようです。






本機のもう一つの特徴は、これだけ(いろいろな意味で)大規模な製品であっても、いわゆるプラグ&プレイタイプゲーム機の体裁を保っていること。つまり、「ゲームタイトル内蔵でコントローラー一体型のため、ディスプレイと電源を接続するだけで遊べる」というスタイルになっています。

本体に搭載される端子は、ディスプレイ(とオーディオ)出力がフルサイズHDMI、電源入力がマイクロUSB。電源仕様が気になるところですが、公式ページの電源に関する記載では「supplied USB cable to a USB power supply」としか書かれていないため、一般的なUSB ACアダプタ、ともすればUSBバッテリーで動作する模様。この大きさの本体がUSBバッテリーで動作するところはぜひ一度見てみたいものです。

また他に、端子としてはUSBタイプAが1基設けられているのですが、こちらに関しては現状では不明。なんらかの拡張が図れるように、という意図やもしれません。



そしてもう一つの特徴は、本体に搭載したWi-Fiクライアントを経由してのハイスコアアップロード機能を搭載する点。これはなんと、全世界規模のハイスコア集計に使われるとのこと。

当時のアーケード版タイトルはクレジット数や難度によってスコアが左右される作品もあるため、そのあたりの条件設定が気になるところですが、いずれにせよヘビーゲーマーにとっては嬉しいところです。

ただし一方で、例えばクイックセーブやゲームのポーズ、ボタンの連射機能などといった、昨今の同種作品で重要な快適性を高める(あるいはストレスを減らす)タイプの機能については、現状では公開されていません。

タイトル選択画面などを含めて、このあたりは続報を待ちたいところです。




そしてもう一つのこだわりが、本体となるジョイスティック。大きさは先述したようにアーケードゲームサイズなのですが、使われている部品もアーケード仕様なのです。しかもレバーとボタンのモデルも明示されているという、想定ユーザーに合わせた仕様です。

公式サイトの記載によれば、レバーが三和電子製『JLF-TP-8YT』と8方向ガイドプレート『GT-Y』の組み合わせ、6つのボタンがやはり三和電子製の『OBSF』(おそらくサイズからしてOBSF-30シリーズ)とのこと。

紹介文章ではこれらの部品により、「最上級の精密な操作と反応速度、そして耐久性を実現します」との一文もありますが、これらはアーケードゲーム筐体で広く、永く使われているパーツだけに、この自信も伺えようというもの。またおそらくですが、破損した際の交換も比較的容易なはずです。



なお、公式ページの著作権表記には「Manufactured by Koch Media GmbH under license from CAPCOM」との一文があるため、制作はドイツの大手ゲーム企業『コチ・メディア』が担当するようです。

このようにCAPCOM HOME ARCADEは、これまで様々な理由により移植がなされてこなかった(伝説の、と付けても大げさではない)タイトルの数々を含むゲームラインアップに、プラグ&プレイタイプゲーム機の常識を破るようなほぼアーケード仕様のジョイスティック、そしていろいろな意味で驚きのロゴ型本体デザインなど、いろいろな意味で常識破りのゲーム機と呼べそうなモデルです。

とくに表題にも挙げた『エイリアン vs. プレデター』に『プロギアの嵐』などは、移植を希望するファンの数が多いことから、Engadget読者の中にも「これが入っているならば、3万円でも高いが安い!!」と叫びたくなる方が多いのではないでしょうか。

気になるのは移植度、あるいはエミュレーターの精度ですが、公式サイトではCPS/CPS2エミュレーターとして再現性に実績のある『FB Alpha』の使用を明記しています。さらにスティック側へのこだわりや、公式ページの各ゲーム紹介にROMバージョンまでもが表記されている点などを見るに付け、相応以上に期待できそう。



キャッチコピーにストII乱入時から取った『HERE COMES A NEW CHALLENGER』を冠するだけのことはある、気合いの入ったまさかの新ハード。

現状では残念ながらEU圏以外での発売に関する情報はありませんが、ハイスコアボードのレベルという点からも、そしてユーザーのためにも、ぜひ日本でも発売を検討してほしいものです。