コスタリカ戦で見せたチッチ監督の“歓喜の転倒”が話題を呼んでいる【写真:Getty Images】

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待望のゴールを決めたコウチーニョの元に駆け寄るはずが…後ろから押されて転倒

 ロシア・ワールドカップ(W杯)グループリーグE組、ブラジル対コスタリカは終了間際の2ゴールでブラジルがなんとか勝ち点3を手に入れた。

 その苦戦ぶりから解放されたシーンとして象徴的だったのは、MFフィリペ・コウチーニョの決勝弾後、チッチ監督の“歓喜の転倒”だった。ブラジルメディア「グローボ・エスポルチ」によると、カリスマ指揮官はこのシーンに触れて「真っすぐ歩けない」と負傷したことを明かした。

 試合はコスタリカの5バックによる堅守と、GKケイラー・ナバスのファインセーブ連発、FWネイマールがVARでPK取り消しと嫌なムードが続くなか、後半アディショナルタイムにDFマルセロのクロスからFWロベルト・フィルミーノ、FWガブリエル・ジェズスとつなぎ、最後はコウチーニョ。渾身のキックでナバスの牙城を打ち破った。

 スコアレスドローも見えてきた状況の中での値千金のゴールにコウチーニョら選手たちは歓喜を爆発させたが、チッチ監督は少々違う形となった。テクニカルエリアにいた指揮官もダッシュでコウチーニョの元へと駆け寄る……はずが、大喜びの控えGKエデルソンとカッシオに後ろから押され、前のめりに転倒してしまったのだ。試合後の記者会見でチッチ監督はこのように語ったという。


コウチーニョのゴールは「私を夢中にしてくれた」

「彼のゴールは私を夢中にしてくれたんだ。私は真っすぐ歩くことができないよ。ゴールを決めて祝うまでに、我々は分厚い攻めを作って、集中していた。そしてゴールが生まれた時、エデルソンが私にぶつかってきたんだ。そして次はカッシオもぶつかってきて、私はひっくり返ったんだ。一緒に祝福したかったけど、できなかった」

 ただチッチ監督を倒してしまったエデルソンとカッシオは、チームメイトと喜ぶよりも転倒した指揮官の状態を心配してくれる優しさを見せた。南米予選を圧倒的な力で勝ち上がったセレソンを作り上げたこともあり、チッチ監督への信頼感は厚いとされているが、セレソンの団結力の強さが現れたワンシーンと言えるのかもしれない。


(Football ZONE web編集部)