エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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3度目登板は強豪相手も…敵地メディアは警戒「エリート打線を封じ込める武器がある」

 エンゼルス大谷翔平投手は17日(日本時間18日午前11時7分試合開始)の本拠地レッドソックス戦で今季3度目の先発マウンドに上がる。エンゼルスは13勝3敗と好発進したが、レッドソックスも13勝2敗とスタートダッシュに成功。強豪相手に二刀流右腕がどのようなピッチングを見せるか、大きな注目が集まる。敵地ボストンのメディアは、試合に向けて大谷を取り上げる特集記事を次々と掲載しているが、地元紙「ボストン・ヘラルド」は「多くの恐怖を与える」と“警戒”している。

 エンゼルスレッドソックスの対戦は、まさに現在のメジャーの“頂上決戦“となる。勝率.867(レッドソックス)と勝率.813は1、2位。エンゼルスの103得点、打率.291、174安打、26本塁打、OPS(出塁率+長打率).825はすべてメジャー1位だ。一方、レッドソックスの89得点(2位タイ)、打率.275(2位)、147安打(3位)、OPS.795(2位)もいずれもトップクラスの数字。13本塁打は同24位だが、得点力には影響していない。

 過去2戦はいずれもアスレチックス戦に登板し、2戦2勝、13イニングで18奪三振、防御率2.08という圧巻の成績を残している大谷にとっては、まさに真価を問われる強豪相手の一戦。相手先発はメジャー屈指の左腕デビッド・プライスとあって、エンゼルスの強力打線も大量得点は期待できないだけに、しっかりと抑えたい。

 ただ、ボストンメディアはここまでの大谷のパフォーマンスを脅威に感じているようだ。「ボストン・ヘラルド」は「エンゼルスのショウヘイ・オオタニはレッドソックスに多くの恐怖を与える」とのタイトルで記事を掲載。「(過去)2度の登板でオオタニはレッドソックスのようなエリート打線を封じ込める武器があることを示した」と、その実力を認めている。

“宝刀”スプリットはRソックスにも脅威「誰もヒットを放つことができていない」

 特筆しているのが、低めへの制球力。「オオタニはゾーン低めに投じる傾向がある。ファストボールでさえもだ」。このように伝えた上で、豪速球を持つ投手であるとも指摘。そして、7回途中まで完全投球を見せた前回登板でメジャーに衝撃を与えた“宝刀“については「2番目に愛用している球はスプリットフィンガーファストボールだ。88マイル(約142キロ)を計測し、鋭い落下を見せる。彼は39球投じており、誰もヒットを放つことができていない」と絶賛している。大谷は日本時代に151キロのフォークを投じたこともあるが、スピードと落差を併せ持つ決め球は、すでにメジャーの打者を戦々恐々とさせているようだ。

 また、記事ではスカウトとして日本時代の大谷を6年間追い続けたアラード・ベアード編成担当副社長のコメントも紹介。「オークランド(アスレチックス)戦での登板を見たよ。彼のスプリットフィンガーが常に素晴らしかった。しかし、先日は私が見た中で最高のスプリットフィンガーであるかのような次元に達していた。それほど良かった」と、こちらもスプリットの切れ味に脱帽している。

 3連戦初戦の17日には「投手・大谷」と対峙することになるレッドソックスだが、その後は「打者・大谷」とも対戦する可能性がある。同紙は、打者としても「スプリングトレーニングでは酷く思えたが、彼は脅威となった」と警戒。左腕セールが大谷の投打での活躍について「印象的」などと絶賛していたことをあらためて紹介している。

 メジャーを席巻する二刀流が強豪相手にどんなピッチングを見せるのか。米国中の注目が集まる一戦になることは間違いない。(Full-Count編集部)