高速鉄道プロジェクトの受注を競い合う新幹線と中国高速鉄道。マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画でも日中は再び受注を争うことになると目されている。日本はインドネシアの高速鉄道計画の受注を中国に土壇場で奪われたが、インドの高速鉄道計画では日本が受注し、中国に一矢報いた形となった。(イメージ写真提供:CNSPHOTO)

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 高速鉄道プロジェクトの受注を競い合う新幹線と中国高速鉄道。マレーシアとシンガポールを結ぶ高速鉄道計画でも日中は再び受注を争うことになると目されている。日本はインドネシアの高速鉄道計画の受注を中国に土壇場で奪われたが、インドの高速鉄道計画では日本が受注し、中国に一矢報いた形となった。

 中国メディアの今日頭条は13日、中国高速鉄道と新幹線による受注競争が近年、激しさを増していると伝える一方、日本と中国の高速鉄道の受注競争において、より競争力が高いのはどちらかを考察する記事を掲載した。

 記事は、インドネシアが高速鉄道の建設で中国を選んだのと対照的に、インドは日本をパートナーに選んだと伝え、インドでは「新幹線は中国高速鉄道より安全」という見方もあると紹介。だが、日本がインドで受注することができたのは低金利による円借款といった有利な条件を提示したためだと主張し、決して新幹線の技術力だけが評価されたものではないと論じた。

 一方、インドネシアが中国をパートナーに選んだのは明確な理由があるとし、1つ目は「建設コストの安さ」であると主張。中国の建設コストは1キロメートルあたり3000万ドルと、日本の建設コストを大きく下回っているとしたほか、時速350キロメートルで営業運転が可能だという技術力も中国の強みだと主張した。

 さらに、中国国内の高速鉄道網は世界最長であり、同時に運用経験も豊富であるとし、中国高速鉄道の技術は日本やドイツから導入したものだが、中国は非常に短期間で技術を吸収し、世界最高の高速鉄道を作り上げたと主張。インドネシアは中国の成長と発展に学びたいからこそ、高速鉄道計画のパートナーに中国を選んだのだとし、こうした発展こそ中国の強みであり、受注競争においても中国の強みとなると論じた。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)