中国の製造業は多くの分野で急速に発展したが、ねじなどの基本的な部品では、いまだに日本など他国からの輸入に頼っているという。中国メディアの捜狐は10日、空母や戦闘機、高速鉄道に使われているボルトはどれも輸入品という「直視しなければならない現実」に関する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国の製造業は多くの分野で急速に発展したが、ねじなどの基本的な部品では、いまだに日本など他国からの輸入に頼っているという。中国メディアの捜狐は10日、空母や戦闘機、高速鉄道に使われているボルトはどれも輸入品という「直視しなければならない現実」に関する記事を掲載した。

 中国の機械工業の進歩は目覚ましく、利益率・輸出額ともに増加しているというが、戦闘機などに使用されるねじ・ボルトなどの部品は「ほぼ100%輸入」に頼っているという。記事は、中国で生産されている部品はいずれも精度の低いものばかりで、高速鉄道などに求められる精度や耐久性の高い部品は、日本や他国に頼るしかないと指摘した。

 例えば、中国の戦闘機「Jー20」のボルトはどうしても最高級の水準が求められ、ねじはすべて高温・腐食にも耐えるチタン製でなければならないという。しかし、中国にはこうした高いレベルのねじの生産技術も生産ラインもないと嘆いた。軍事分野以外でも、高速鉄道、長征7号ロケットにも海外から輸入した高品質のボルトが大量に使われているという。

 では、なぜ中国国内では生産できないのだろうか。記事は、化学工業、冶金、鍛造の技術が遅れていることが原因だと分析。日本などのように「専門分業」ができておらず、製品システムや品質が不健全で、専門分野での研究が不足しており経験も足りないため、製造能力が低いのだとした。

 こうした現状に、中国のネット上では「作れないのではなく作りたくないだけ」、「ボルトなどの部品は買えば良い」などの意見があると紹介。しかし、これらの意見はいずれも現実を直視していないと切り捨てた。

 Jー20や高速鉄道、ロケットなどの技術力は世界トップレベルだとする一方、中国の基礎工業が弱いのは確かであり、中国製品が精緻さに欠けるのは事実だと主張。量から質への転換は時間がかかるが、いずれは日本の部品を使用せず、すべて中国産を使用する日を目指すべきだと伝えている。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)