2戦7失点の韓国代表に地元メディア辛辣 「2軍に敗戦」「個人技と組織力で完敗」

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モロッコ代表に1-3と敗戦 2試合連続の大量失点に批判が高まる

 韓国代表が10日、スイスでモロッコ代表と国際親善試合を行い1-3で敗れた。

 試合は前半7分にモロッコに先制されると、その4分後にあっさりと追加点を許した。さらに後半立ち上がりの2分にも3点目を献上。同21分にMFク・ジャチョルがGKに倒されて得たPKを、エースのFWソン・フンミンが決めて1点を返したが反撃もそこまで。7日のロシア戦(2-4)に続く大量失点での敗戦に、韓国メディアはチーム批判を繰り返している。

「モロッコ2軍に敗れた韓国サッカー、これが現実」とのタイトルを付けて報じたのは、ニュース総合サイト「ノーカットニュース」だ。同サイトは「モロッコはロシア・ワールドカップ(W杯)アフリカ最終予選のC組5戦目を3-0で勝利しているが、その時の先発メンバーとはすべて違う選手が出場した。後半にピッチに入ったエースのユネス・ベランダ(ガラタサライ)が唯一の主力と言っていいほど、それ以外の選手はほぼテストの選手だった」と伝えた。ベストメンバーでない相手に敗れた現実に、課題は山積だ。

 スポーツ紙「イルガンスポーツ」は、「ロシアに2-4で敗れた後の試合とあって、選手たちの顔には緊張が窺えたし、シン・テヨン監督の表情も冴えなかった。攻守両面でミスを連発し、失点が重なるにつれ、雰囲気はどんどん悪くなっていた」と、チーム全体に覇気がなかったことについて触れた。

「この程度でパフォーマンスが落ちるのは…」

 さらに同紙は「“ヒディンク(代表監督就任)問題”が呼び込んだファンの非難の下、欧州遠征2試合に挑んだ韓国は、最悪な雰囲気の中で、最悪の内容と結果だけを残した」と指摘。成果よりも失ったものの方が大きかったと辛辣だ。

 総合ニュースサイト「news1」も、「個人技と組織力において完敗だった。これまでアジアのチームと戦い、見えてこなかったものが分かっただろう。韓国サッカーはまだまだ足りない部分が多い。世界との差は大きい」と完敗を認めている。

 ただ、選手の立場になると難しい面もある。7日のロシア戦を終えて、モスクワからスイスへ移動し、3日後にはモロッコとの試合が控えていた。選手のコンディションを考えると多少の疲労があったことは予想がつく。だが、これほど試合内容が悪くなることは、シン・テヨン監督も予想していなかったという。

 試合終了後、指揮官は「選手たちは今日の試合結果をきっかけに、反省もしなければならないし、何が課題なのかも分かったと思う。この程度で体が重くなったり、パフォーマンスが落ちるのは話にもならない」と強調していた。

 欧州での2連戦はあらゆる課題を露呈した遠征になったが、早い段階で課題が見つかったのは好材料にすべきだろう。全ての面での立て直しが求められている。

【了】

金 明碰●文 text by Myung-wook Kim

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images