路上で声をかけてきた男と自撮りを続けた女性(画像は『dearcatcallers 2017年9月15日付Instagram「#dearcatcallers “hmmmm you wanna kiss?”」』のスクリーンショット)

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路上で女性を見れば誰かれ構わずに口笛を吹き囃したて、時に卑猥な言葉を口にする男がいる。そんな男たちにうんざりしたオランダのある女性が、このほど巧妙なプロジェクトを実行した。『The Independent』『Evening Standard』『Mirror』などが伝えている。

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アムステルダムに住む20歳の学生ノア・ジャンスマさんは電車の中で2人の男に不愉快な思いをさせられたことから、以前から考えていたアイデアを実行することにした。

ランダムに女性に声をかけ、口笛を吹いたり性的な言葉を投げかける者のことを皮肉った「Dear Catcallers」と名付けられたInstagramアカウントは「女性が男性に性的対象の物として見られることに対する警告」を目的とし、ノアさんは8月〜9月の間、路上で声をかけてきた男たちと自撮りした写真を投稿した。

男たちに写真の撮影許可を得るノアさんに対し、男たちはからかう自分らとなぜ自撮りをしたいのかという疑問を感じることもなく、むしろ笑顔を見せたり図々しくノアさんの肩に腕を回す者までいる。そんな男たちと共に写るノアさんは、逆に無表情もしくは不快な表情だ。投稿された写真の1枚1枚には、「俺の車に乗りなよ」「キスしてほしいのかい」「ヘイ、セクシー。どこに行くんだ。俺も一緒に行っていいかい」「電話番号教えて」などとノアさんが浴びせられた言葉も添えている。ノアさんによると1か月間で唯一、1人の男だけがノアさんに「なぜ、自撮りをするのか」と問いかけてきたそうだ。Instagramに「Catcallは称賛ではない」と投稿したノアさんは、このように話している。

「こんなふうに路上でセクハラをする男たちは、女性を性的対象としてしか見ていません。このプロジェクトは、女性を物としてしか見ない男たちに、逆に私が男たちを物体視して自撮りをしたものです。ですが男たちは何の疑いもなく自撮りに応じます。なぜなら彼らは、見知らぬ女性へのハラスメント行為がごく普通のことだと思っているからなのです。写真を撮られることに疑問を持たない男たちは、女性に不愉快な思いをさせていることにも全く気付きません。こんなふうに多くの女性がどれだけ頻繁に、また、どんな内容でハラスメントを受けているかということを知らない人は大勢います。私の例だけでも1か月でこれだけのハラスメントを受けていることをInstagramで示したいと思いました。」

ノアさんは男たちとの写真を30枚ほど投稿しているが、実はその間に自撮りすらもできないような危険なハラスメントにも遭遇したようだ。プロジェクトを終えたノアさんは、今後は世界中の女性にこのプロジェクトを引き継いでもらえたらと願っている。なおアムステルダムでは、こうした路上でのハラスメント行為には2018年1月1日から190ユーロ(約25,000円)の罰金が科せられることになるという。Instagramアカウントに24万人超のフォロワーを持つノアさんは、「セクハラを繰り返す男たちに法を守らせることは難しいでしょうが、象徴的でいいことだと思います」と語っており、このプロジェクトを知った人からは「女性のための素晴らしいプロジェクト」「路上でセクハラを受ける女性は増えているから、いい警告になるよね」「どれだけ魅力的な女性を見かけたからって、男がこんなふうに声をかけるのは絶対間違っている」「変な男も多いから気を付けて。あなたはとても勇気があるわ」「私もこのガールズ・パワープロジェクトに参加したい」といった声が寄せられている。

画像は『dearcatcallers 2017年9月15日付Instagram「#dearcatcallers “hmmmm you wanna kiss?”」、2017年9月21日付Instagram「#dearcatcallers “Babyyyyyyyy! THANKYOU”」、2017年8月29日付Instagram「#dearcatcallers …after following me for straight 10 minutes “sexy girl Where you goin'?? Can I come with you ?”」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)