このような投資信託の良し悪しを判断する材料は、簡単に使えて、直感的に理解できる方が良い。カブドットコム証券は、16年12月に信託報酬控除前トータルリターンの開示を始め、信託報酬控除後のリターン(一般に使われている基準価額を使ったリターン)と比較することで、監査報酬等を含めた投資信託の総費用がパフォーマンスに与える影響が分かるようにした。そして今回、信託報酬の実額をシミュレーションするツールを公開。さらに、9月末をメドにロボット投信と共同で投資信託の基準価額の変動要因分析をシミュレーションできるツールの提供も開始する予定だ。投資信託の理解を助けるため、様々な先進的な取り組みを進めている。
 
 ロボット投信は、「金融の“読む、書く、話す”を自動化する」ことをミッションに16年5月に創業。投資信託をはじめアセットマネジメント分野においてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション=ロボットによる業務自動化)ソリューションを提供している。既に、コールセンター等の応答に使うIVR(電話自動往訪システム)やチャットボット、また、資産運用サポートで使うロボアドバイザーなどを実用化している。その技術力は三菱UFJフィナンシャル・グループ主催のMUFG DigitalアクセラレータでAWS賞を受賞するなど高く評価されている。また、今年7月には三井住友アセットマネジメントの社長・会長を歴任した前田良治氏を顧問に迎えるなど経営体制も強化している。(写真は、左からロボット投信 顧問の前田良治氏、同社長の野口哲氏、カブドットコム証券の松永亜弓氏)