By Isi Akahome

北朝鮮がグアムに向けて弾道ミサイルを発射する計画を明らかにしていますが、もし本当に核爆弾による攻撃を受けた場合、お風呂の後にコンディショナーを使ってはいけないそうです。

Why It's Dangerous to Condition Your Hair After a Nuclear Attack

https://www.livescience.com/60163-do-not-condition-hair-after-nuclear-bomb.html



NPRによると、核攻撃が行われた場合、炎が道路を破壊し、熱により材料が気化し、核爆弾の放射性物質と混合して放射性粉じんを作り出します。この時発生する粉じんは「死の灰」と呼ばれるもので、人間の髪の毛を含むあらゆるものを汚染することが可能です。

アメリカの災害準備に関する情報をまとめた「Ready.gov」によると、核爆発で生き残った場合、すぐさま1番外に着ている衣服を脱ぎ去るべきとのこと。外気に触れる衣服を脱ぎ去ることで放射性物質の最大90%を除去することが可能です。さらに、入浴が可能なレベルの水があれば、石けんとシャンプーを使ってシャワーで放射性粉塵を洗い流す必要があります。しかし、人間の髪の毛は重なり合ったうろこのような形状をしているため、核攻撃のあとにコンディショナーを使うことは悪いアイデアと言わざるを得ない、とのこと。

「髪の毛は、日中に松ぼっくりのように割れることがあります。そして、放射性汚染粒子はこの隙間に入り込むことができます」と語るのは、放射線安全の専門家として政府の対応チームと働くアンドリュー・カラム氏。シャンプーとは異なり、コンディショナーには主にチオン界面活性剤(塩化セトリモニウムなど)、シリコン(ジメチコンなど)、カチオンポリマー(グアヒドロキシプロピルトリモニウムクロライドなど)などが含まれています。これらの成分が髪の毛の表面のうろこのような構造をした「キューティクル」を整えて滑らかにするそうです。



By Douglas McClean

しかし、髪の毛のキューティクルの隙間に放射性汚染粒子が付着したままコンディショナーを使ってしまうと、髪の毛の表面が平滑化して放射性汚染粒子が髪の毛の中に閉じ込められてしまうと言うわけです。また、コンディショナーはすすぎ洗いしたあとにも毛髪にとどまるほどの粘着性を持っており、この油性化合物は放射性汚染粒子を髪の毛に付着しやすくしてしまい、放射能被ばくの危険性が高まる可能性すらあるとのことです。

ポッドキャストThe Beauty Brainsを主催する化学者のペリー・ロマノウスキー氏は、核爆弾の落下地域にいる場合は、コンディショナーだけでなくスキンローションや化粧品などの油性または粘着性のある化粧品を身体に塗布することを避けるように注意を促しています。



By Richard foster

なお、核爆弾による障害の大部分は最初の爆発により生じる圧力・火災・建物の倒壊・飛行機の破片や急性放射線中毒によるものだそうで、放射性汚染物質による長期間の暴露によるものではないそうです。それでも、いざという時のために心に留めておくことは無駄なことではないはずです。