フジテレビの決断はどう出るか

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「なんでユアタイム終わってしまうんや...」「終了するのは残念」――フジテレビの報道番組「ユアタイム〜あなたの時間〜」(月〜木:23時30分・金:23時58分〜)が終了するとのニュースに、ツイッターなどで惜しむ声が相次いでいる。

ショーンKことショーン・マクアードル川上さん(49)が開始直前に司会辞退、代わって登板した市川紗椰さん(30)は「経験不足」、視聴率も低迷――と、打ち切りを伝える記事はいずれも辛口だ。一方でネット上では、終了反対の声が上がる。この落差はいったい?

フジは「番組の詳細については決定していない」

フジテレビは2017年8月7日、J-CASTニュースの取材に、「番組の詳細については決定していない」(企業広報室)として「打ち切り」についての明言を避けたものの、系列のサンケイスポーツなども含め、7月末以来複数のスポーツ紙、週刊誌が、「ユアタイム」の終了を報じている。

そのサンケイスポーツ(ウェブ版、7月29日付)は、2016年4月に「大型番組」として始まったものの、開始直前に司会に予定されていたショーンKさんが学歴詐称報道で降板するなど当初から騒動に見舞われ、「最近は視聴率の伸び悩みが続いていた」――と、番組の1年半を総括している。他のスポーツ紙も大同小異だ。

週刊誌やネットメディアになると、さらに評は辛い。特に番組の顔・市川さんに対しては、経験の浅いキャスターぶりへの批判から、CMへの出演で局ともめた、趣味の相撲の話ばかり熱心――などなど、批判的な「関係者の話」が書き連ねられている。

加計問題などで「独自色」

こうして見ると、まるでいいところもなかったように見える「ユアタイム」だが、終了報道への反応をチェックすると――。

ユアタイム終わりかー。良心的な番組と思っていたんだけどな」
「視聴率は悪かったが、市川紗耶は、段々と良くなった。相撲解説も良かったのに。よく、ショーンKの穴を埋めたよ。残念だ」
「あのユルいながらもモーリーとかコメンテーターとかの独自視点がよかったのに。元官僚や新聞記者のつまらんオヤジ視点にはない内容」

意外にも、というと失礼かもしれないが、ネット読者からは否定的に扱われがちなフジテレビの、しかも報道番組にもかかわらず、終了を惜しむ声が目立つ。

「独自視点」を象徴するのが、加計問題の閉会中審査を扱った7月10日夜の放送だ。他の番組ではあまり扱われなかった加戸守行・前愛媛県知事の答弁に、市川さんの「経緯を丁寧に説明していて、辻褄が合うんですよね」というコメント付きで言及するとともに、国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんによる、

「野党による内閣への追及ということで、(メディアが)ショーアップに加担して尻馬に乗ってしまったように思います。だから下手をすると、今回信頼を失うのは自民党というよりも、メディアが敗者になる可能性があります」

という、マスコミのあり方を問う発言を放映、反響を呼んだ。

こうした他の番組と一味違う姿勢が、視聴者にも認め始められた矢先の9月いっぱいでの「打ち切り」報道。8月5日付の日刊スポーツ(ウェブ版)は、後継番組に椿原慶子アナウンサー(31)を起用する方針だと伝えている。