2012年に終身会長に就任した山根氏 禁無断転載/文藝春秋

「日本のアマチュアボクシング界は不祥事の隠蔽や連盟内の女性トラブルなど、惨憺たる状況が続いています。その背景には組織を完全に私物化する、日本ボクシング連盟の“ドン”こと山根明会長(77)の存在がある。村田諒太も犠牲者の一人です」

 こう証言するのは、会長の元秘書で、昨年まで連盟の理事を務めた澤谷廣典氏(54)だ。

「今年7月中旬、近畿大学ボクシング部の男性監督(29)が女子部員にセクハラを行っていたことが発覚しましたが、この監督は会長の孫婿です。近大ボクシング部の監督はOBが務めるのが慣例ですが、会長の口利きでOBでもない孫婿が就任したのです」(澤谷氏)

 別のボクシング関係者も次のように証言する。

「ロンドン五輪決勝で、村田選手のセコンドが、山根会長の命令によって、突然、会長の息子に替わったのです。彼は指導者はもちろん、ボクシングの経験さえないはずです。村田は『なんでこんな素人がセコンドにつくねん』と怒っていました」


村田と山根氏 禁無断転載/文藝春秋

 さらに村田にプロ転向の話が持ち上がった際にも、山根会長が立ちはだかったという。

「山根氏は村田のプロ入りに強硬に反対。プロ入りの意思を曲げない村田は山根氏の逆鱗に触れ、2013年2月、連盟は『引退勧告』を村田に突き付けるという暴挙に出た。選手の私物化としかいえない前代未聞の出来事です」(澤谷氏)


疑惑の判定で敗れた5月の世界戦 ©文藝春秋


週刊文春に告発した澤谷氏 禁無断転載/文藝春秋

 山根氏は「週刊文春」の取材に対し、こう回答した。

「孫の夫が近大ボクシング部監督になったのは、会長の推薦ではない。(ロンドン五輪決勝でセコンドを務めた息子は)芦屋大学の教授に指導を受けている」

「週刊文春」8月3日発売号では、このほかにもアマチュア選手がプロ転向する際に支払われる『移籍金』の存在や、五輪出場にも山根会長が強い影響力を持つアマチュアボクシング界の現状を詳報する。

(「週刊文春」編集部)