韓国人の人種差別が深刻さを増している。

それを顕著に示しているのが、近頃、韓国で外国人を卑下する造語が急増していることだ。

韓国メディア『東亜日報』によれば、去る7月10日、アイドルのコンサートを見た一人の学生が、こんなことを口走ったらしい。

「海外のファンたちはひどすぎる。これだから“ウェクィ”と言われるんだよ…」

外国人はゴキブリ

彼が語った「ウェクィ」とは、10〜20代の若者の間で流行している外国人を卑下する造語。

「ウェグギン(外国人)」と「バクィボルレ(ゴキブリ)」を合わせた言葉だ。

もともとは特定のアイドルグループの熱狂的なファンを指していたが、外国人ファンを指す言葉として使われるようになった。

さらに現在は、「韓国に迷惑をかける外国人」に向けて使われるようにもなっている。

韓国のインターネット掲示板では、ある外国人が「韓国人たちが私に“ウェクィのくせに”と言ってくるんだけど、どういう意味?」と質問を投げたこともあった。

外国人たちはその意味を理解すると、「あまりに攻撃的だ」「人種差別じゃないのか」と怒りをあらわにしていた。

日本人を卑下する言葉も

外国人を卑下する新語はほかにもある。

パキスタン人に対しては、上述の「バクィボルレ(ゴキブリ)」と合わせて「バクィスタン」「パクィボルレ」といった造語で中傷。ベトナム人は「ベトナムイン(人)」を省略して「トナムイ」と卑下している。

さらに「トン(糞)」と「ドンナム(東南)アジア」を合わせた「トンナムアジア」という言葉まで存在する。

また「寿司女」などのように日本人を「寿司〜」と誹謗する言葉や中国人を卑下する「チャンケ〜(中華〜)」という言葉も使われている。

もっとも、こうした差別的な言葉を使うのは若者ばかりではなく、最近はソウル市立大の教授が「クロンボ」「シロンボ」と公に発言して処分を受けている。

「多文化なんて虚構。不幸になるだけだ」

こうした風潮について、韓国では意見が分かれている。

反対派の意見としては「いずれ自分たちに跳ね返ってくるんだ。人格を整えよう」「多文化国家となったこの時代に生きていながら人種差別発言をするのは適切ではない」「秩序を守れない当事者が問題であって人種差別は別の問題だ」といったものがあった。

その一方で、「差別とは機会を与えないことを言うのであって、ダメな行動を指摘することは差別ではない」「多文化なんて虚構。不幸になるだけだ」「日本に行ってみたら中国人観光客は秩序を守ろうと努力していたよ。安く訪れる団体客を少なくすれば彼らの秩序も良くなるんじゃないか?」といった擁護派の意見も見られた。

「外国人を人格的に無視し、差別する」

いずれにしても韓国人の人種差別が存在していることは事実だが、当然ながらこうした社会の空気には外国人も嫌悪感を抱いている。

例えば昨年10月にソウル市がソウル在住の外国人2500人を対象に行ったアンケート調査で「ソウルのイメージが悪くなった」と答えた人々の回答理由では、「社会的開放及び抱擁が不十分」(25.5%)と「(外国人を)人格的に無視し、差別する」(20.4%)といった外国人への差別的風潮がほぼ半数に達している。

このように韓国に蔓延する人種差別について、ユン・インジン高麗大学社会学科教授は警鐘を鳴らす。

「発展レベルが低い国家を低く評価する、我々の中の“位階化された人種序列”が再び顕在化してきている。中国や東南アジアは以後も政治・経済的に協力しなければならない地域であるのだから、政府と社会が対策を講じなければならない」

この指摘はもっともだが、それは裏を返せば、現時点では人種差別に対する対策が整っていないということでもある。

一日でも早く対策が講じられることを願うばかりだ。

(文=S-KOREA編集部)

(参考記事:「韓国では他人を助けようとするな」未だにまん延している韓国人の人種差別意識