たった1通のLINE。

その巧拙が恋愛の勝敗を決めかねないが、恋愛マニュアル情報は巷に数多くあれど、LINEの正解を教えてくれるコンテンツはほぼ見当たらない。

男女でLINEに対する捉え方は、全く異なるようだ。

あなたが送るそのLINE、気づかぬうちに間違えていないだろうか。




Q1:食事会の後、女性になんとLINEを送れば良い?


食事会が終わってから、いつも悩むことがある。

いつ送るか、何と送れば良いのか。

今日の食事会でも気に入った子がいたのに、結局次に進めない自分がいた。



渋谷にあるIT系の会社に勤める由紀は、肩下でゆるく巻いた髪がよく似合う、ナチュラル系の美人だった。

男は会社の同期計3名。女性の方も、皆同じ会社だという。

「なんか、みんな似てるよね。」

類は友を呼ぶという言葉があるように、女性陣は皆似ていた。

今年の流行なのか、明るい色の膝下丈くらいのスカートに、トップスは白。まるで揃えたように(よく見れば微妙に違うと思うが)同じような服装だった。

「えー全然違うのに。」

似ているような3人の中でも、少し口を尖らせながらも笑う由紀が僕はタイプだった。

「由紀ちゃんは、どこ住んでるの?」
「目黒だよ。裕太君は?」
「うっそ。俺も目黒だよ。近いじゃん!あのお店、知ってる?」

目黒に住んでいて良かった...そう心の中で叫んだ。同じ話題があるのも勿論のこと、この後一緒にタクシーに乗れる可能性も高まる。

「LINE交換しない?目黒の美味しい店、教えてよ。」
「もちろん♡でも裕太君の方が詳しそう!」

タクシーに乗ったら、次の約束までできるかも...しかしそう思っていた僕の淡い期待は、その後見事に砕け散る。

由紀の友達・奈美も方向が一緒だと言い始め、結局、由紀を先に降ろしてから、奈美を送る羽目になってしまった。

家に着くと速攻で奈美からお礼のLINEが入っていたので、一応当たり障りのない返事をする。




しかし肝心の由紀からは何も連絡がない。待ちきれなくて、こちらからLINEを送る。



食事会後に送る、一般的な文章。これの何が悪かった?


送ってから数分後に、由紀から返信が返ってきた。




だいぶ会話は盛り上がったのに、律儀に敬語口調なのもまた由紀の良いところだろう。




結局この日のLINEは深夜遅くまで続いた。出会ったばかりだけれど、妙に気が合う由紀。彼女のことをもっと知りたいと思った。

最近、女性を誘って食事に行き、デートをするという行動に疲れてきた自分がいた。

-無駄なデートはもう、十分。

本当に大切にしたいと思える女性と、ゆっくり向き合っていきたいと思うようになっていた。




「裕太、この前どうだった?由紀ちゃん、家まで送ったの?」

週明けに、会社の廊下で会の主催者でもある淳平がニヤつき顔で話しかけてくる。

「それがさ、奈美ちゃんも家の方向が一緒で。結局、皆を無事に送り届けて帰りましたよ。」

「本当、裕太ってそういうとこあるよなー。妙に律儀というか、皆に平等というか。」

淳平に痛いところを突かれ、何も言えなくなる。昔から姉に鍛えあげられたせいか女性に対しては(誰に対しても)優しく接するマインドがある。

「で、次のデートはいつなの?ちゃんと誘えよ。」

淳平に急かされ、由紀にLINEを送ってみた。




こうして、由紀とデートまではこぎつけた。


LINEの会話はその人そのもの?女が冷める瞬間とは


Q2:いつ、どこで粗相した?デートも会話も完璧だったはず


『ラ メゾン ダミ』は目黒駅東口から徒歩数分なのに、喧騒から離れて暖かい光を放っている店だ。




実は何度か来ているが、店員さんの感じも良く、目黒で通いたくなる店の一つだった。

「わぁ、こんな所にお店があったなんて!素敵なお店ですね。」

アットホームな店内は、今日も賑わっている。

「ここのサバのマリネが絶品なんだよ。」

そんな会話から始まった二人のデートだが、会話は弾んでいた。

「由紀ちゃんの出身地は?へぇ、名古屋なんだ。やっぱり味噌カツとか好きなの?」

そんなとりとめのない会話が楽しかった。由紀の出身地や出身校、今の会社のことや、友達のこと。何も特別なことはないのだけれど、時間はどんどん過ぎていく。

「由紀ちゃんって、絶対モテるよね。」

可愛らしい顔に細い脚。話し上手だし、仕事も頑張っている。モテる女性が放つ特有のオーラも備わっていた。

「えー、そんなことないですよぉ。裕太さんも、でしょ?」

褒められて、嫌な思いをする男はいない。ニヤニヤしていると、続いて由紀から質問が飛んできた。

「裕太さん、カッコイイし人気ありそうだからなぁ...そう言えば、この前奈美も送って下さりありがとうございました。」

一瞬何のことかと思ったが、前回一緒にタクシーに乗った際、由紀を降ろしてから奈美を送った。きちんと送り届けたのか気になっていたのだろう。

「ちゃんと無事に送って行ったよ。」
「裕太さん、本当に優しい♡ありがとう。」
「またみんなでも飲みたいね。」

この日も由紀は終始上機嫌で、美味しい食事とワイン、そして楽しい会話で夜は更けていった。




ここまでは、順調そのものだった。
次のLINEが来るまでは。




LINEを見て、思わず手が止まる。

-友達も一緒?

別に構わないが、女性の“友達も誘いたい”という意味は、“あなたと二人では行きたくない”と同等の意味をなすことくらい、知っている。

せっかく二人でデートに行き、盛り上がり、良い感じだったのに....。

いつ、粗相をしたのだろうか?iPhoneに問いかけても、何も答えてはくれなかった。

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LINEの答え合わせA:男は知らない女の絆。知らぬ間に回っているスクショ回覧板