「空飛ぶ車」レースに日本は勝てる? トヨタのプロジェクトに海外の注目集まる

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 SF映画で描かれた未来が、すぐそこまで来ている。車型のタイムマシン「デロリアン」が空を飛んだのは映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』での出来事だが、海外各誌はトヨタグループがその実現に向けて動いていることに注目している。「空飛ぶ車」に乗れる日は近いのだろうか?

◆海外誌も注目のトヨタ「SkyDrive」プロジェクト
 トヨタのプロジェクトは、バック・トゥ・ザ・フューチャーになぞらえる形で海外各メディアに取り上げられている。正確にはトヨタグループの出資を受けた有志グループ「CARTIVATOR」によるプロジェクトだ。CNNによると、同グループはSkyDriveという空飛ぶ車を開発しており、2020年の東京オリンピックで聖火台ランナーを運ぶことを目標にしている。フォーブス誌も聖火台への点火に触れ、同プロジェクトをレクリエーション目的の企画と分析しているようだ。

◆ウーバー、エアバス …… 手強いライバルたち
 空飛ぶ乗り物の開発を目指すのは、実はトヨタだけではない。ベンチャーや既存大手航空会社などを含め、世界中で8社以上が実用化をかけた火花を散らす。

 娯楽色の強いトヨタに対し、実用性に秀でているのがウーバーの『ウーバー・エレベート』計画だ。フォーブス誌は、垂直離着陸機(VTOL)の「空飛ぶタクシー」が各地を結ぶと伝える。ドバイで進むこのプロジェクトでは、政府、メーカー、規制当局が連携しており、商用化までの現実性が一段と高いようだ。東京オリンピックと同じ2020年にドバイでエキスポが開催されるが、これをターゲットにしている。

 航空大手も開発に乗り気であり、ビジネスインサイダー誌はエアバスのVTOLタクシーを紹介している。こちらは通常のタクシーと同額程度のメーター料金になる見込みとのことで、コスト面での実用性が非常に高い。他にもグーグル共同創業者のラリー・ペイジ氏が開発する水上VTOLなど、記事では、同種のプロジェクトが世界で8種ほどあるとしている。

◆日本勢の可能性は?
 トヨタの計画はとても魅力的だが、サービスインのより早い計画や現実味の高い動きが他にも世界であることから、各誌はトップの評価を与えているとは言い難い。例えば「日本は空飛ぶ車レースに勝てるか?」と題したCNNの記事は、ウーバーなど各社が最高時速220〜320キロに達する一方で、トヨタは時速100キロに留まると指摘する。

 日本が自動車産業に秀でるのは各誌認めるところだが、なぜリードできないのだろうか? ビジネスインサイダー誌はトヨタの弱みを分析しており、陸空両用を目指すことが足枷になっていると見る。タイヤと駆動系の存在は、機体重量を抑える上で確かにマイナスだろう。

 ただ、今後の動きとしては、地上走行もできることを生かし、レジャー用途への特化などで差別化を図ることが考えられる。フォーブス誌の記事は、家庭用やタクシーのほか、レジャー、救急車、軍事などに「空飛ぶ車」の用途が広がっていると指摘する。CNNもトヨタのプロジェクトリーダーのコメントを掲載しており、「どの企業が最初に開発するかではなく、長期的に価値があり安定したビジネスを築けること重要だと思っている」とのことだ。

 実用目的ではドバイでのウーバーの計画が一歩リードといったところだが、日本のトヨタは、世界のライバルとは一歩違った未来を描いているようだ。東京オリンピックをきっかけに、娯楽用途で名を馳せる日を楽しみに待ちたい。