先日、米ユナイテッド航空の機内で発生した乗客の引きずり降ろし事件は中国国内で強い反発の声を呼び起こした。航空会社のサービスに関する議論が繰り広げられるなか、中国メディア・今日頭条は19日、日本の航空会社による心温まる「神対応」のエピソードを紹介する記事を掲載した。(イメージ写真提供:123RF)

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 先日、米ユナイテッド航空の機内で発生した乗客の引きずり降ろし事件は中国国内で強い反発の声を呼び起こした。航空会社のサービスに関する議論が繰り広げられるなか、中国メディア・今日頭条は19日、日本の航空会社による心温まる「神対応」のエピソードを紹介する記事を掲載した。

 記事は「ユナイテッド航空の引きずり降ろし事件が起きた一方で、日本の航空会社はこれ以上ない心温まるもてなしを行った。当事者が『神対応』と賞賛した行為は、日本全国で話題となった」としたうえで、シンガーソングライター・歌屋櫻さんが体験し、自身のブログで披露した話を紹介している。

 櫻さんが7回忌を迎える母親の遺影と位牌をスカーフに包んで飛行機に搭乗した際、出発前に客室乗務員から荷物を前席の下に入れるよう要求されたため、櫻さんはわがままを承知のうえで「中に遺影が入っているので、抱いたままでもいいでしょうか」と質問、すると乗務員は非礼を詫びるとともに遺影を隣の空席に「着席」させ、一緒に風景を楽しむよう提案してくれた、という話だ。

 離着陸の際、安全上の理由から通常はバッグなどの所持品は前の座席の下に入れることが求められる。乗務員の対応はイレギュラーなものと言え、櫻さんの要望を受け入れなくても咎められるべきものではない。記事は「櫻さんによるいささか無理な要求に対し、乗務員がむしろ先に謝罪し、さらに遺影を乗客同様に扱ったことで、彼女は一生忘れられない心温まる体験をしたのだ」と説明している。

 エピソードを知った中国のネットユーザーからは「日本が強いというのは、口先ばかりの話ではない」、「人本位のサービスが、乗客を感動させたのだ」、「サービスを語るなら、やっぱり日本だな」といった賞賛のコメントが寄せられている。航空会社のサービスや乗客のマナーを巡るトラブルがしばしば伝えられる昨今、日本の航空会社が乗客に対して見せた誠意は、とりわけ中国の人たちの心を打つようだ。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)