「相棒Season14」より

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 世間に衝撃を与えた元女優・高樹沙耶(53)の大麻取締法違反容疑での逮捕。2012年末には所属していたオスカープロモーションを退社し、芸能活動から身を引いていたため、芸能界にはそれほど影響はないはず……だったのだが、テレビ朝日には激震が走った。

 その理由は、彼女がシーズン10までレギュラー出演していた、テレビ朝日のドル箱ドラマ『相棒』の存在だ。現に逮捕当日の10月25日、平日夕方に放送される『相棒セレクション』で彼女が出演している『相棒シーズン7』が放送予定だったが、急きょ差し替えられている。ファンからは、過去シリーズが封印されてしまうことに落胆の声が多く寄せられたが、テレビ朝日にとっては大打撃になると関係者は語る。

「『相棒』は、過去作の再放送であっても視聴率が見込め、スポンサーもつきやすい。夕方の時間帯に流して、そこからニュースにつなげるなど視聴者を取り込む効果も高い。テレビ不振の今、テレビ朝日にとってはまさに生命線のドラマです。それが今回の逮捕で放送できなくなってしまったんです」

■遺産が一転、不良債権に

 過去のシーズンだからと侮れない人気を誇る『相棒』シリーズ。だからこそ、テレビ朝日も相当な損失を被るようなのだ。

「通常ドラマは2年間の再放送権付きで契約されます。それ以降の再放送に関しては、また新たな契約料が発生する仕組みです。しかし、人気シリーズ『相棒』ともなれば、シーズンの早い段階で再放送の権利込みで買い切った可能性があります。何度でも放送できる人気ドラマは、テレビ局にとってまさに遺産。今回の高樹逮捕は、その遺産のうち100話近くを失ってしまう巨額な損失を出してしまったことになります」(前出・関係者)

 遺産だったドラマが、一気に不良債権と化してしまった高樹沙耶の逮捕。『相棒』ファンよりも、テレビ朝日へのダメージのほうが深刻なようだ。

文・真田栄太郎(さなだ・えいたろう)※1978年神奈川県出身。大学在学中にフリーライターとして活動を始め、『東京ダークサイドリポート』(ワニマガジン社)、『週刊宝島』(宝島社)、『Hot Dog Press』(講談社)などに寄稿。現在は週刊誌の記者・編集者として事件、芸能取材に奔走する