アメリカではかつて航空便のパイロットの道しるべのために巨大な矢印の構造物が地面に設置されたことが知られていますが、それとは別に、上空からはっきりと確認できる「X」の形をした謎の構造物がアリゾナの砂漠地帯に設置されています。一体誰が何の目的で謎の構造物を設置したのかを調べると、意外な用途に使われていたことが明らかになっています。

Decades-Old Mystery Put To Rest: Why Are There X's In The Desert? : NPR

http://www.npr.org/2016/10/11/496567104/decades-old-mystery-put-to-rest-why-are-there-xs-in-the-desert

ペズ・オーウェンさんはセスナでアリゾナの砂漠上空を飛行中に、巨大な「X」の形をした白い構造物を発見しました。これまでこのような構造物を見たことがなかったオーウェンさんは、フライトチャート(航路地図)を調べてみましたが謎の構造物に関する情報は記載されていませんでした。

謎の構造物は約60フィート(約18メートル)という巨大さで、真っ白な表面も相まって上空からはっきりと確認することができます。



謎の構造物が何なのかを知りたくなったオーウェンさんは、元同僚のチャック・ペンソンさんと一緒に構造物の正体を付きとめるための調査をスタートさせました。はじめに鉱山の跡や軍用レーダー基地を疑った2人でしたが、いずれの案も空振りに終わっています。



しかし、その後オーウェンさんは国防地図局からアリゾナ州・カサグランデ地区の地図を手に入れると、「X」の文字が273個も確認できたとのこと。最終的に、機密解除されたCIAの「A Point in Time: The Corona Story」という1972年に作成されたフィルム内に解説されていた、冷戦時代に極秘に決行された「CORONA衛星プロジェクト」の存在に行き着いたそうです。

CORONA(コロナ)衛星は、地球から100マイル(約160キロメートル)上空に打ち上げられた衛星で、その運用の目的はソ連や中国を監視するべくスパイ写真を撮影すること。ソ連・中国の保有する飛行場や核実験施設のすべてを監視していたことが前述のフィルムでは語られています。



12年間の長きにわたって合計80万枚以上の写真を記録したCORONA衛星ですが、鮮明な写真を撮影するために、定期的にフォーカスなどを調整する必要があったとのこと。そのカメラ校正のために用意されたのが、上空から確認できる巨大なXの構造体で、CORONA衛星が使命を終え、冷戦が終了した今なおアリゾナの砂漠には当時の状態のままで残されているそうです。