日本を訪れる中国人が増えているが、なかには視察のために訪日する中国の有識者や政府関係者もいる。中国メディアの捜狐はこのほど、日本を訪れた中国国務院の関係者の見解として、「日本経済は20年以上も低迷しているが、それでも日本と中国の差は巨大」であり、その差を「正視すべき」であると論じた。(イメージ写真提供:123RF)

写真拡大

 日本を訪れる中国人が増えているが、なかには視察のために訪日する中国の有識者や政府関係者もいる。中国メディアの捜狐はこのほど、日本を訪れた中国国務院の関係者の見解として、「日本経済は20年以上も低迷しているが、それでも日本と中国の差は巨大」であり、その差を「正視すべき」であると論じた。

 記事では、21日間にわたる視察のために日本を訪れた中国国務院の関係者による見解を紹介している。この見解は日本政府の関係者や日本の企業、大学、研究機関などとの交流のほか、日本各地を訪問した結果として、国務院の関係者が得た日本に対する知見と、中国との差を考察したものだ。

 文章は、日本がバブル崩壊によって経済成長が低迷する一方、同期間に中国経済が著しく成長したことについて、「多くの中国人は、“まもなく中国は全面的に日本を超える”と認識している」と紹介。だが、実際に日本を訪れてみて、中国国務院の関係者は「全面的に日本を超える」どころか、日本と中国には「巨大な差があることが分かった」と論じた。

 では、日本と中国の「巨大な差」とは一体なんだろうか。まず1つ目の差として、経済的な実力を挙げ、「中国は国内総生産(GDP)では日本を超えたが、中国の国土は日本の25倍、人口は10倍以上もいる」と指摘。それにもかかわらず、日本の1人あたりGDPは中国の10倍近くもあると指摘し、「製造業」「金融」、「科学技術力」における差は極めて大きいのが現実だと指摘した。

 続けて2つ目の差として、「現代化の水準」を挙げ、日本はどこでも一定の水準を超えた現代化がなされていたとし、都市部と地方部で極端な発展の不均衡は存在しなかったと指摘。確かに中国の場合は北京や上海は著しく発展しているが、地方には昔ながらの生活を強いられている人びとも少なくない。

 また、3つ目の差として「清潔さ」や「調和の取れた秩序ある社会」の存在を挙げ、日本人は誰もが自発的にルールを守って暮らしていたと指摘。治安の良さや公平さが実現された社会についても、中国と大きな差があると指摘。中国国務院の関係者は、日本を実際に日本を訪れた感想として、中国がまもなく「全面的に日本を超える」どころか、日本と中国には「巨大な差があるのが現実」と指摘している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)