マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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昨年、チームメートに「あと10年間」現役を続けると明かしていた!?

 マーリンズイチロー外野手が50歳まで現役生活を続ける意思を持っていると、地元紙「ニューヨーク・タイムズ」が報じている。

 同紙は「イチロー・スズキ、50歳を目指して(だが、まずは3000本安打)」との見出しで特集を掲載。その中で、昨年、イチローがヤンキースでチームメートと交わした会話について紹介している。

 昨季終盤、ヤンキース生え抜きのブレッド・ガードナー外野手が「5年後とかに引退したら、今後はどうする?」と尋ねると、41歳の誕生日まで1か月ほどに迫っていたイチローは驚いた様に「5年後? あと5年間プレーすると思ってる?」と返答。そして、あとどのくらいプレーするつもりなのか、と尋ねたガードナーに「あと10年間だよ」と声高に伝えたという。

 記事では、その場が笑いに包まれたという事実に言及。だが、イチローは2日(日本時間3日)に同紙の取材に対して、昨年のこの会話の内容が真実だと通訳を介して話し、「あの場にいた彼らはそれが冗談に聞こえたかもしれない。ただ、肉体的には問題ないし、その点に関しては何も障害はない」と続けたという。

 オフにマーリンズの4番手外野手として契約したイチローは、ジャンカルロ・スタントンらが故障した影響もあり、ここまで152試合に出場。周囲の予想を上回る出場数となった。

3000本安打まで65本安打、ローズまで43本に迫るイチロー

 6月18日時点で2割9分4厘だった打率は現在、2割3分と“危険水域”とも言える数字まで低下しているが、マーリンズイチローについて、その守備力の高さだけでなく、若手選手達の手本になる存在として高く評価。再契約を検討しているとされている。

 記事では、イチローが達成まで65本に迫っているメジャー通算3000本安打についても触れ、マーリンズやそれ以外の球団にとっても、これが来季イチローとの契約を検討する上で魅力的な要素になると伝えている。

 イチローがメジャー通算3000本安打を達成すれば、日本での1278安打と合算して、ピート・ローズ氏のメジャー歴代最多安打記録を上回る事にもなる。現時点での日米通算の安打数は4213本で、ローズ(4256本)と並ぶまで残り43安打となっている。

 同紙は、自身の記録に迫るイチローについて、電話インタビューで語るローズ氏の言葉も紹介。

ローズ氏はイチローについて称賛と持論明かす

イチローはすでに殿堂入りに値するだけの成績を残していると思っているよ。200安打を10回達成し、3000安打も目前と迫っている。同じ高みを経験した自分からすれば、それがどれだけ困難な事なのか分かっているからね。それに彼は守備面でも素晴らしい選手であり続けている。彼のプレーをいつだって楽しんで見ているよ」

 ローズ氏はこう語りながら、日米合算での安打記録の話になると「もしイチローの日本でのヒット数をプロフェッショナルな記録だと捉えると、私がマイナーリーグ時代に放ったヒット数も同等の扱いになるはずだ」と持論を展開したという。

 記事では、イチロー自身が「日米合算での記録については人それぞれの意見がある。ただ、それが野球の世界にとっては良い事だ。自分自身でそこに関して意見する事はない」と話したことにも触れている。

 3000本安打まで残り65本。毎日、球場に来てからラインナップを見て、先発出場なのかを確認しなければいけない現在の立場では、達成までの道のりは遠いとレジェンドは語りながらも、それが現在の自身の立場であり、準備を怠らず日々プレーすることが、明日に繋がるとも語っている。

 失意のシーズンとなってしまった今年のマーリンズも残り1試合。たが、まだまだヒットを積み重ねるために、イチローはこの先も変わらずに準備し、バッターボックスに立ち続けるつもりのようだ。