理屈ではなく感情で人を動かす!後輩のやる気を引き出す気配りの秘訣

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後輩を持つ立場になると、仕事の成果は、自分の努力だけではなく、一緒に働く後輩のやる気にも左右されるもの。「後輩のやる気を引き出したいなら、ポジティブな感情になれるような気配りをしてみてください」と、話すのは、OLから経営者になり、現在は横浜市市長を務める林文子さん。

「このチームで働けて嬉しい」とか、「この人と一緒だと元気になる」といったポジティブな感情がやる気の源となる場合も。そのために、林さんは、「後輩を徹底的に褒める」ことを提案する。

「自動車会社の支店の経営を初めて任されたときに、部下に対してこの方法を使いました。褒められて自信がつくと目に見えて部下のやる気が上がり、細かい業務内容も報告してくれるようになって、コミュニケーションがスムーズになりました」(同)

こまめにコミュニケーションをとることで、それぞれが実力を発揮しやすくなり、相乗効果で業績が低迷していた売り上げがどんどん伸びたとか。

特に、自信を失っているときは当たり前のことでもとにかく褒めると、自信を取り戻すきっかけに。例えば、天気が悪い日に外出先から帰ってきたときに、「足元が悪い中、がんばっていてえらいわね、さすがです!」という言葉でも、OK。

「後輩がミスをした場合には、叱ったりはっぱをかけたりするのではなく、『もったいないな。普段のあなたらしくなかったですね』というように声をかけましょう。『いつもはできるあなた』という印象を持っていることを示すと、後輩は嬉しくなって、やる気になります」(同)

もうひとつ大切なのが、目を見て感謝の気持ちを伝えること。例えば、仕事が完了したという報告があったら、なにかの作業中でも必ず顔を上げ、相手の目をしっかり見てお礼を言って。

「当たり前ですが、同じ職場で働く仲間として後輩や部下に敬意を持ち、それを伝えることが大切です。感謝されていることがわかると、誰しもやる気が出るはず」(同)

自分が周りに気を配り続けていれば、後輩もその大切さに気が付いて見習い、みんながお互いを思いやる職場になるはず。さっそく気配り習慣を始めよう!

林文子
横浜市長。松下電器産業(現パナソニック)、ホンダのセールスレディなどを経て、1987年、BMWの正規ディーラーであるBMW東京に入社。93年に新宿支店長に就任した2年後、ベストセールス店に選ばれる。その後、ファーレン東京(現フォルクスワーゲンジャパン販売)代表取締役社長、BMW東京社長、ダイエー代表取締役会長兼CEO、日産自動車執行役員、東京日産自動車販売代表取締役社長を経て2009年より現職。近著に、林市長が実践し続けてきた、すべての人を味方に変えてより多くの成果を得る秘訣がわかる『ちょっとした“気配り”で仕事も人間関係もラクになる!』(秀和システム)がある。