対照的!静かな風景画のユトリロと力強い人物画を描く母・ヴァラドンの親子展

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パリの風景を詩情豊かに描き、今でも高い人気を誇る画家・ユトリロ。彼の母親ヴァラドンも画家で、しかも恋多き女性だったとか。対照的な作品を描き、人生を送った親子の作品を一緒に展示する美術展、気になっていたアート女子も少なくないのでは?

2015年4月18日(土)から6月28日(日)まで、東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の展覧会「ユトリロとヴァラドン―母と子の物語―スュザンヌ・ヴァラドン 生誕150年―」。ユトリロの作品約40点と、ヴァラドンの作品約40点が展示されていて、日本初公開作品や個人の所蔵作品をなども公開しているとか。

見どころは、やはり母と子の作品の対比。繊細で静かなタッチの風景画ばかり描いていたユトリロに対して、母親のヴァラドンは人物画が中心。当時の女流画家では珍しく、裸婦像が得意だったそう。そのくっきりとした太い線は、旺盛な生命力を思わせる力強いもの。

また、“恋多き女性”としても知られた母親のヴァラドンは、ルノワールやロートレックといった画家のモデルをしていた頃から、画家に転向した後も、その美貌と才能で数々の恋愛を経験。18歳でユトリロを産んだ後、49歳で21歳年下の息子の友人と再婚するなど、自由奔放な性格だったらしい。

「展覧会の入り口には、恋愛関係にあったロートレックや作曲家のエリック・サティ、また師弟関係や友人関係などがひと目でわかる『関係図』が展示してあります。作品とともに、ヴァラドンの女性としての人生、ユトリロとの親子のストーリーも一緒にお楽しみください」と、広報担当者さん。

ヴァラドンの肖像写真の前に立つユトリロなど、2人の写真も数点展示されるそう。写真を見ながら、まったく傾向の異なる母子の作品にふたりの物語を重ねてみるのも、新しい展覧会の楽しみ方かも。