小説家の綿矢りさのデビューは、それはそれは衝撃的だった。私の場合、2001年に京都に出かけたとき、いまはなき河原町の丸善(梶井基次郎の短編小説『檸檬』に出てくることで有名)で、彼女のデビュー作『インストール』が、同作の文藝賞受賞時の地元紙の記事のコピーなどともに平積みにされているのを見て、初めて綿矢の登場を知ったのだった。当時17歳という若さもさることながら、こんなアイドルみたいなルックスな子が小説を!