書評家に、この人の作品は絶対に採り上げたい、と思わせる作家・潮谷験。その新作長篇『山上のフェイク』(光文社)が刊行された。なぜ書評したくなるかというと、毎回やることが違うからだ。第63回メフィスト賞を受賞したデビュー作『スイッチ悪意の実験』(講談社文庫)以来、媒体とのタイミングが合わなかった1作を除き、すべての著作を私は書評している。これは極めて稀な例だと思う。