「今夜は銀座で鮨なんかどう?」のひと言は昭和から続く甘美なフレーズだが、令和のいまも「銀座で鮨」は特別だ。その理由を知らしめる老舗に『久兵衛』があり、こういった名店に通い慣れたとき、鮨偏差値が高まるだけでなく大人としてまたひとつ、成熟しているに違いない。最高峰が集う街で気負わず鮨を食べるという大人感銀座に店を構え、金春通りに移って30年。看板の店名文字は魯山人の書で、建物は1993年竣工の5階建て。