世間との相性がとことん悪い男。『自分以外全員他人』『孤独への道は愛で敷き詰められている』(筑摩書房)に続くこの小説の主人公を、ひとことで説明するとこんな感じだろうか。柳田譲はマッサージ店に勤める独身中年男性だ。恋人も親しい友人もおらず、家族との関係も良好とはいえない。自己評価の低さと他者への嫌悪感、かつて同棲していた恋人への未練が、彼の心の中には常に渦巻いている。