〈じっと考えてみよう〉ある小国の貧しい貴族の家に3人の娘(甲娘・乙娘・丙娘)がいた。3人とも10代のおしゃれ盛りで、着る服について好みが強かった。が、家は裕福ではなかったので娘たちに買ってやるドレスは少なかった。甲娘はいつもこう漏らす―――「なぜ私には3着しかドレスがないの。しかも格好の悪いものばかり。いまどきこんな古い型なんて恥ずかしい。ああ、今晩の舞踏会になにを着ていけっていうの。このなかから選