第38回東京国際映画祭(TIFF)「アジアの未来」部門に出品された『マリア・ヴィトリア』は、ポルトガルの山岳地帯を舞台に、プロのサッカー選手を目指す少女の成長と家族の濃密なドラマを描き出した作品だ。 幼少期を熊本県で過ごしたという異色の経歴を持つマリオ・パトロシニオ監督の長編デビュー作である。 美しい風景の中で展開するこの物語は、主人公マリア・ヴィトリアが、父の権威と、突然帰ってきた兄との