普天間飛行場の辺野古移設に反対する市民や活動家と、移設工事や調査を警備する海上保安庁沖縄県警の間での実力闘争が激しさを増している。

 そして、政府と県のバトルも過熱している。翁長雄志・知事は移設阻止のため、3月23日、県漁業調整規則を根拠に沖縄防衛局に作業停止を指示。これに対して政府は30日、林芳正・農水相が指示の執行停止を決定した。行政法に詳しい小早川光郎・成蹊大学法科大学院教授がいう。

「農水省が今回行なった執行停止決定は行政の行為を直ちに止めなければ大きな不都合が生じる場合にだけ取られる緊急的な措置です。つまり国は、知事の行政判断で移設作業を停止した場合、どのような種類の不都合が直ちに生じるのか、具体的に説明する必要がある」

 翁長氏の次の一手と見られているのが仲井真弘多・前知事が出した岩礁破砕許可の取り消しだ。「すでに弁護士たちと協議に入っている」(県庁関係者)という。

 一方、政府も知事が許可取り消しを出したら、すぐに裁判所へ取り消し処分の無効を提訴する構えだ。

「知事がさらに検討しているのが、県外からの土砂の持ち込みを規制する新条例の制定。埋め立てのための大量の土砂は県内だけでは調達できないことを見越して、県外の土砂に混ざる生物により沖縄の生態系が侵されるというロジックを展開するつもりだ」(同前)

 行政、立法、司法の場で、反対派と推進派の先の見えない泥沼の応酬へ発展している。

※週刊ポスト2015年4月17日号