黒田博樹【写真:田口有史】

現役選手で黒田から最もヒットを放っているのは?

 ヤンキースから広島に復帰した黒田博樹投手の話題は、年が明けても続いている。同僚の選手たちは歓迎ムードで、開幕投手を争うことになるエースの前田健太は「(開幕をやるつもりで調整していきます」と刺激を受けている様子。また、救援の一岡竜司も「ひとりのファン目線で見てみたいし、長く現役を続けるためにはどうするのか知りたい」と、一緒にプレーすることを心待ちにしている。

 一方で、メジャー移籍前(2007年まで)に対戦したバッターや、当時の黒田のボールの威力を知る打者たちは脅威に感じているだろう。ただ、得意としていたバッターもいる。

 日本の現役選手で黒田から最もヒットを放っているのは、阪神の福留孝介。中日時代、そしてカブス時代ともに得意としていた。日本では112打数の37安打、4本塁打、打率3割3分。2008年5月、シカゴで実現したカブス対ドジャースでのメジャー初対戦でも第2打席の初球でセンター前ヒットを放つなど、米国では通算10打数4安打の打率4割だった。

 中日では森野、荒木が高打率を残している。森野は40打数13安打、1本塁打、6打点、打率3割2分5厘。荒木は森野に比べて対戦数が多く、90打数27安打の打率3割をマークしている。

高橋由伸も相性抜群、過去の対戦成績は今シーズンに反映されるか

 さらに、巨人の高橋由伸は119打数36安打の打率3割3厘、13本塁打、31打点をマークしている。黒田が最もホームランと打点を喫している選手だ。高橋は黒田よりひとつ年下だが、日本球界を沸かせた同世代の対決には注目が集まりそうだ。

 もちろん、対照的に打率が0〜1割台の選手もいる。しかし、これらはすべて2007年までの話。それぞれの選手達は年を重ね、進化も遂げた。黒田自身も渡米後はピッチングスタイルを大きく変えており、再び日本に戻ってからどんな投球を見せるかは分からない。8年前までのデータが2015年に反映されることはないかもしれないが、今シーズンの戦いで一つの物差しにはなるだろう。

 過酷なメジャーの世界を生き抜いてきた黒田が勝つのか。それとも、相性そのままに“天敵”たちがバリバリのメジャーリーガーだった男を打ち崩すのか。一つの楽しみであることは間違いない。